地震雲の代表的な形は縦(又は横)に一直線に伸びるというもの。
地震雲は太くてはっきりしているのですが、よく考えると飛行機雲に似ています。
そのため、地震雲と飛行機雲を混同する人が多いのも事実。
そこで今回は、地震雲と飛行機雲の違い・見分け方をご紹介します。
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地震雲と飛行機雲には違いがある
*画像はイメージ
上の画像は福島県沖地震(2021年2月13日発生 M7.3 死者3名)の前に茨城県で目撃された地震雲を再現したものです。
こうした地震雲はMEGA地震の発生前にたびたび目撃されていますが、もっとも多いのは画像のような一直線で縦に伸びる形。
この形状だけみれば一般的な飛行機雲とよく似ていますが、実ははっきりとした違いがあります。
例えば下の写真は福島県沖地震が発生した日の東京の空。
ご覧の通り、直線の雲がはっきりと写っています。
福島県沖地震が発生したことでこれを地震雲だと主張する人もいますが、筆者の見分け方によるとこれは単なる飛行機雲。(見分け方は後述)
このように、飛行機雲と地震雲が同日に出現することもあるので、しっかり見分けることが大事なのです。
地震雲は時間が経ったときの形が特徴
*引用『巨大地震と地震雲 予兆現象はXデーを警告する!』
上の画像は一直線に伸びる地震雲の代表的な例です。(2000年10月に発生した鳥取西部地震(M7.3の前日に撮影)
こうした地震雲は他にたびたび出現していますが、形状の面で次のような特徴があります。
- 飛行機雲より明らかに太い(時には何倍も太くなる)
- 10分20分1時間・・・と真っすぐな形を保ち、同じ場所にとどまっている
- 飛行機雲のように短時間でのちぢれ・蛇行などの変形を起こしにくい
- 数本が平行に並んだり、2本が交差することもある
一般的な飛行機雲はできてすぐに形が崩れはじめます。
また、飛行機が通ったあとにできるため、航路に応じて蛇行したり急に曲がったりします。
一方、地震雲は長時間にわたって形が崩れず、常に一直線。
これが飛行機雲と地震雲の違いです。
ちなみに、一直線に伸びる地震雲には上記に加えて次のような情報もあります。
- 震源方向に延びているか、または震源方向に対して垂直に走る
- 震源から何百キロ離れた地域でも目撃されることがある
- 飛行機のない古い時代には姫帯雲とよばれ、要注意の雲とされていた
飛行機雲の特徴と地震雲との違い
飛行機雲は排気ガスに含まれている水蒸気が極低温な外気に急激に冷やされたり、高速移動の後ろ側で気圧が下がったりすることでできる氷粒や水滴が集まったもの。
形がはっきりしている段階ではどの飛行機雲も細く、帯状を形成する地震雲と比べると太さにはっきりとした違いがあります。
また、飛行機が通った後にできるわけですから、飛行機の進路に応じて上の画像のように曲がることもあります。(地震雲は曲がりません)
飛行機雲は短時間で形が崩れる
上の画像には左上と右下を結ぶように帯状の雲が写っています。
直線帯状なので一見すると地震雲のようですが、その形はすでに崩れかけ。
地震雲はしっかりと形状を保つので、これらは飛行機雲だと分かります。
また、短時間で変化するというのも飛行機雲の特徴。
発生から数十分以内に形が崩れ始めるので、しばらく観察していれば簡単に見分けることができます。
珍しい形でも崩れていれば飛行機雲
上の画像では十字に交差する雲が写っています。(筆者撮影)
珍しい現象なので「地震の前兆では?」と思うかもしれませんが、これは飛行機雲です。
なぜなら形が大きく崩れているから。
実際、筆者がしばらく観察しているとすぐに薄くなって消えてしまいました。(無論、地震も発生しませんでした)
前述のように、飛行機雲は一定の気象的条件が揃ったときに出現するもの。
逆にいうと、飛行機雲は条件さえ揃えば飛行機が通る度に出現するわけで、クロスしたり並行して複数表れたりするのです。
まとめ
今回は地震雲と飛行機雲の違いについてご説明しました。
飛行機雲は細くてすぐに崩れてしまうのが特徴。
それに対して飛行機雲は太く、長時間に渡ってはっきりとした直線をキープします。
この点に注目すれば地震雲と飛行機雲を見分けることが可能。
本物の直線帯状の地震雲はめったに出現しませんが、もし目撃した時は危機意識を一気に高めて、防災行動へ結び付けてください。
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●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋
・・・フリーライター
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