3月3日未明、南太平洋の島国バヌアツでM6.8のMEGA地震が発生しました。
実は近年ネット上では、バヌアツで地震が発生すると2週間以内に日本でも起きると指摘されており、これを「バヌアツの法則」といいます。
実際、過去におきた日本のMEGA地震をみると、この法則に当てはまっているもの。
そこでこの記事では、2023年3月3日に起きたバヌアツ地震の速報と、バヌアツの法則についてご紹介します。
なお、2023年6月16日に南太平洋で発生した地震についても追記しております。
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速報!バヌアツでサイクロン襲来中に地震発生
2023年3月3日早朝(日本時間同日未明)、南太平洋の島国バヌアツの北部・エスピリツサント島沖でM6.8の地震が発生。
その直後にはM5.4の余震も起きました。
地震発生時、現地は強力なサイクロンで暴風雨の真っ只中。
バヌアツ赤十字の幹部は「揺れを感じたが、被害を確認しようにも強風で家の外に出られない」と伝えています。
そのため、本記事作成時点(5日未明)では情報が少なく、この地震による被害がどれほどなのかまったく分かりません。
分かっているのは、バヌアツ政府が3日に非常事態宣言を発出したことと、津波の心配はないということ。
サイクロンも含めて、現地の被害が少ないことを願うばかりです。
バヌアツの法則・日本で地震が起きる前兆か⁉
近年、バヌアツの地震と日本で起きる地震との間で、ある関連性が指摘されています。
それは、バヌアツでMEGA地震が起きると、日本でも2週間以内にMEGA地震が発生するというもの。
これをバヌアツの法則といい、次のような事例が該当します。
- 2016年 熊本地震
- 2018年 北海道胆振東部地震
- 2021年 福島県沖地震
また、東日本大震災の18日前にもバヌアツでMEGA地震が起きており、これを『約2週間』とみなすなら、バヌアツの法則の的中率はかなりのもの。
バヌアツは太平洋プレートに隣接しており、日本と同じく地震が多発する国。
距離が遠いため、直接的な関連性はないと言われていますが、地震については未解明なことが多いのも事実。
バヌアツの法則が高確率で的中していることは無視できません。
よって、3月3日のバヌアツ地震を日本で地震が起きる前兆と考え、3月20日ころまでは警戒しておくべきでしょう。
2012年以降のバヌアツの法則に関するデータ
地震活動をはじめ電磁気現象や自然界の異変等、観測データを統合活用し地震予測研究を行なうEPRC(一般社団法人地震予兆研究センター)が、バヌアツと日本との関連調査を実施。
この調査では、東日本大震災以降の2012年から2022年4月までに発生した地震を対象に、バヌアツの法則の信憑性を検証しています。
調査期間中にバヌアツではMEGA地震が14回発生。
そのうち、2週間以内に日本でMEGA地震が発生したのは5回となっており、確率は35.7%。
他の地域・国で地震が発生した場合は、これほどの高い関連性は見られず、バヌアツの法則がまんざらでもないことが分かります。
実際、EPRCは本検証の結論として次のように発表をしています。
2012年以降のデータを用いた場合にのみバヌアツ地震の後に日本地震が発生しやすくなっているという結果が得られました。 また、対象地震の規模や警戒期間をシフトさせて最適なモデルを調査しましたが、やはりM6.5以上のバヌアツ地震が発生した場合、2週間以内にM6.5以上の日本での地震が発生しやすいという結果となりました。
2012年以前はバヌアツの法則の信憑性が下がる
前述のEPRCでは、2012年以前(1923年~2011年)の約88年間に関しても調査しています。
それによると、調査期間中にバヌアツではMEGA地震が92回発生。
そのうち、2週間以内に日本でMEGA地震が発生したのは14回となっており、確率は15.2%です。
2012年以降の35.7%と比べるとかなり確率が低くなっており、この確率変動に関する明確な理由は分かっていません。
以上のことから、EPRCは最終的に次のような発表をしています。
今回の解析により、確かにここ10年程のデータを見る限り、バヌアツ地震後に日本で地震が発生しやすくなる「バヌアツの法則」を肯定する結果が得られました。しかしそのような関連性がみられるのは時期的に限定的であり、さらに太平洋プレート全体との関連性もみられず、メカニズムも明らかにできませんでした。
(EPRCの調査報告はコチラ)
続報 2023年3月のバヌアツ地震は法則に当てはまらず
バヌアツの法則による影響が心配されていましたが、2023年3月27日時点で日本でM6.5以上の地震は発生していません。
バヌアツの法則は的中率35.7%。
今回は幸いにもそれに当てはまらなかったようです。
追記 2023年6月16日 南太平洋フィジーで地震発生
2023年6月16日午前3時6分ごろ、南太平洋フィジー諸島南方を震源としたマグニチュード推定7.0の地震がありました。
震源が深く日本への津波はないようですが、現地で震度5弱程度の揺れがあったとのことです。
バヌアツ国の領海内ではないものの、筆者はバヌアツ近海での地震も法則に含まれると考えており、6月下旬にかけて注意が必要。
実際、2023年5月19日に南太平洋ニューカレドニア沖でM7.7の地震が発生した際は、7日後に千葉県で震度5弱の地震が起きています。
まとめ
今回は、2023年3月3日に発生したバヌアツ地震の速報と、バヌアツの法則についてご紹介しました。
2012年以降の約10年間だけに限って言えば、バヌアツでM6.5以上の地震が起きた後、2週間以内に日本でMEGA地震がおきた確率は35.7%。
このバヌアツの法則に従えば、35.7%の確率で3月20日頃までに日本をMEGA地震が襲うということになっていましたが、今回は幸いにも外れたようです。
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●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋
・・・フリーライター
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