南海トラフでは大昔からMEGA地震が繰り返し発生していますが、その度に様々な予兆・前兆現象が目撃され、記録に残されて来ました。
これらは近い将来に発生すると言われている南海トラフ巨大地震を予知する上で、非常に重要な手がかりとなります。
そこで今回は、過去の南海トラフ巨大地震の前に目撃された様々な予兆をご紹介します。
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南海トラフ巨大地震の予兆:異常な引き潮
過去の南海トラフ地震発生前には満潮干潮のサイクルが大きく狂い、各地で異常な引き潮が起きました。
<昭和南海地震 高知県室戸市>
地震の前日夜8時か9時頃、行当港ではもの凄く潮が引き、水深10センチ位になり2tの船が港に入れず港外に置かれた。 他船も港に入れず、年寄り達は「こんな潮が引いたのは初めてじゃが!」と話していた。
*引用:『南海地震は予知できる』(中村不二夫著)
<昭和東南海地震 三重県紀伊長島町>
地震の2~3日前三重県紀伊長島町では激しく潮が引き、愛知県吉良町では満ち引きに異常があり漁師たちは地震がくるとわかっていた・・・
*引用:愛知県防災会議調査
上記の他、江戸時代に発生した南海トラフ巨大地震(宝永地震や安政東海南海地震など)でも異常な引き潮が目撃されています。
これらはすべて津波直前の引き潮ではなく地震発生前のもので、海底の地殻変動が原因だと考えられています。
南海トラフ巨大地震の予兆:井戸水の異変
過去の南海トラフ巨大地震では井戸水にも予兆が表れていました。
<昭和東南海地震 濁り>
静岡では1週間前から井戸水が濁りだし、地震当日の午前中は一番ひどく、普段いないはずのヒルが泳いでいた。また掛川では地震の5~6時間前に濁り出した。
*引用:東大地震研・日大文理学部・静岡県の調査
<昭和南海地震 枯渇>
徳島・牟岐町で借家住まいの男性が井戸に釣瓶を投げ込み、カラカラと音がしたのを聞き「井戸水が無いぞ、津波が来るから早く逃げろ」と近所へ大声で叫んだ・・・男性によると2〜3日前から井戸水が少なかったという。
*引用:『南海道地震津浪の記録 海が吠えた日』(牟岐町教育委員会)
井戸水とはつまり地下水。
同じ括りで湖や池の水、温泉などにも濁りや枯渇といった予兆が表れる可能性があります。
南海トラフ巨大地震の予兆:轟音
過去の南海トラフ巨大地震では、「轟音をきいた」という証言がいくつもあります。
<昭和東南海地震>
●地震の2~3日前、愛知・蒲郡市ではドンドンと大砲の様な音。
●地震前日、震源から離れた内陸の名古屋市や岐阜市など広範囲で鈍い音があった。
●地震数時間前の朝、三重県引本町では雷鳴のような轟音。
*引用:東大地震研・日大文理学部・静岡県の調査
<昭和南海地震 高知市東孕付近>
地震が起きる前から孕(はらみ)の前の海で毎晩「ジャン」と鳴った。「ジャン」が鳴ると今まで釣れた魚が一斉に釣れなくなった。地震後ジャンは鳴らなくなった。
*引用:『南海地震は予知できる』中村不二夫著
MEGA地震の予兆となる轟音には、「ゴーっ」という音の他に鐘を鳴らした時のような「ジャーン」という音もあります。
物理学者の寺田寅彦氏はこの轟音現象について、「表層岩石内部で起きる小規模の地すべりに伴う地鳴り」と説明。
この説が正しければまさにMEGA地震の予兆といえます。
南海トラフ巨大地震の予兆:太陽と月の異様な見え方
*写真はイメージ
太陽や月の見え方が異様になるというのもMEGA地震の予兆です。(世界中に伝承があります)
<安政南海地震 月の記録(高知城下にて)>
地震前夜、月色の赤きこと紅のごとしと心ついたる人の話也
*引用:谷脇茂実日記
<安政南海地震 太陽の記録 (高知・土佐市)>
地震発生前、日の出の太陽が赤い 晴天今朝、日輪赤く紅のごとし
*引用:地震日記
<安政東海地震 太陽の記録 (静岡・旧新居町)>
地震の5日前、日の出は三尊のように太陽が3つ並んで見えて、その日は1日中カサが3重に見えた。その様子を見てあちこちに拝む人がいた。
*引用:東新寺の僧・真宗の手記
こうした現象は地震の前に地中から放出される電磁波が原因。
この電磁波の影響で大気中に水蒸気がたまってレンズ効果を生み、光が散乱して赤く見えたり2重3重に見えたりすると言われています。
南海トラフ巨大地震の予兆:地震光
過去の南海トラフ巨大地震では、地震光(空や海の発光、稲妻、火の玉など)が数多く目撃されています。
<昭和東南海地震 東海地域>
●地震の前夜午後8時以降、遠くで青白い発光現象が長時間続く。(三重・松阪市)
*引用:東大地震研・日大文理学部・静岡県調査
<昭和南海地震 高知・徳島>
●地震前日の夕方、東の空が夕焼けでもないのに、クレヨンで塗ったように桃色や赤色で4kmぐらいの長さの空を染めており、友人と「おかしな事もあるもんやなあ」と話していた。(高知・香南市)
*引用:『南海地震は予知できる』中村不二夫著
南海トラフ巨大地震の予兆:動物の異常行動
近年の研究によって、地震前に地殻から放出される電磁波は生き物全般に影響を及ぼすことが分かってきました。
事実、顔の南海トラフ巨大地震でも、多くの動物が異常行動を見せています。
<昭和東南海地震>
●地震前日、犬が異常に吠えていた。(静岡・旧大東町)
●6時間前、村々のあちこちでニワトリが落ち着かず騒いだ。(静岡・現富士市)
●5時間前、キジが2~3時間もけたたましく鳴きつづけた。(三重・多気町)
*引用:日大文理学部・東大地震研・静岡県の合同調査
上記以外にも、イカや昆虫にも異常行動が見られており、いずれも電磁波を原因とする極めて稀な現象であることから、MEGA地震の予兆だと考えられます。
まとめ
今回は過去の南海トラフ巨大地震における様々な予兆を取り上げました。
不自然な引き潮、井戸水の濁りや枯渇、轟音、異様な太陽や月、地震光、動物の異常行動など、MEGA地震の前には明らかに普段と違う現象が起きます。
特に沿岸地域ではMEGA地震によって大津波が懸念されるため、ご紹介した予兆を参考に一足早い避難につなげてください。
(なお、MEGA地震発生に備えた防災グッズ関連はコチラでご紹介しています。)
●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋
・・・フリーライター
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