【MEGA地震の前兆と予測!】南海トラフ巨大地震④ 過去の連動事例 前編

南海トラフ巨大地震

過去の南海トラフ巨大地震では、東西でMEGA地震が立て続けに発生した事例がいくつもあります。

この連動型が発生すると、関東から九州までの広範囲で甚大な被害がでます。

しかも、連動型には1回目と2回目の間隔が短いパターンがあるのです。

そこで今回は、短い間隔で南海トラフ地巨大地震が連動した過去の事例をご紹介します。

<スポンサーリンク>



短い間隔で連動した過去の事例

下の年表は過去に発生した南海トラフ巨大地震を並べたものです。(記録が残っているもののみ)

<過去の南海トラフ巨大地震>

地震名称 発生エリア 発生型
684年 白鳳地震 東海・南海 詳細不明
887年 仁和地震 南海 詳細不明
1096年 永長東海地震 東海 詳細不明
1099年 康和南海地震 南海 詳細不明
1361年 正平東海地震と

2日後の正平南海地震

東海・南海 連動
1498年 明応地震 東海・南海 連動
1605年 (*慶長地震) 詳細不明 詳細不明
1707年 宝永地震 東海・南海 同時?
1854年 安政東海地震と

翌日の安政南海地震

東海・南海 連動
1944年 昭和東南海地震 東南海 ーー
1946年 昭和南海地震 南海 ーー

(*慶長地震は南海トラフ域外発生で対象外との見解もあり)

上記のなかで太字で示したのは、短い間隔でMEGA地震が連動した事例。

ご覧の通り、翌日や2日後にすぐ2回目が発生しています。

次の南海トラフ巨大地震は「必ず起きる」と言われていますが、そのときも連動型である可能性が大。

にわかには信じられない話ですが、専門家は『想定される最悪のケース』と指摘しています。

過去の連動事例1:正平東海地震と正平南海地震

室町時代の1361年6月24日、正平南海地震が発生しました。

東大寺・薬師寺・法隆寺などの著名な寺がことごとく被害を受けた他、大阪から四国にかけて大津波が襲来したと言われています。

徳島県美波町では津波によって1,700の家屋が流失し死者は60人超。

『太平記』によると、「家に居た僧俗男女、牛馬鶏犬、一つも残らず海底のもくずとなった」とのことです。

近年、この時の地震の調査が進み、2日前の6月22日に東海側で地震(正平東海地震)が発生していたことが判明。

詳細不明の地震を除けば、正平東海地震と正平南海地震が記録上もっとも古い連動型ということになります。

過去の連動事例2:安政東海地震と安政南海地震

*引用:NHK

江戸幕府が開国した1854年には安政東海地震と安政南海地震が連動して発生しました。

その間隔は2日間。

どちらもM8以上のMEGA地震だったことが分かっています。

まずは東側で安政東海地震が発生

*引用:内閣府

1854年11月4日9時頃、静岡沖の東海エリアで安政東海地震(M8.4)が発生。

静岡・神奈川・山梨で震度7、関東や大阪・福井でも震度6以上となりました。

この地震による津波は三重で20m超え。

静岡県伊豆下田では集落の95%が流失したといいます。

32時間後に安政南海地震が発生

*引用:地震調査研究推進本部

安政東海地震の発生から約32時間経った11月5日の夕方、今度は四国沖で安政南海地震(M8.4)が発生しました。

関西から四国にかけて大津波が繰り返し襲来。

大阪では数百隻の大船が橋や川沿いの家を破壊しながら街中を遡上し、現在の心斎橋付近まで到達したといいます。

2日後に九州で連動⁉ 豊予海峡地震

安政東海地震(11月4日)と安政南海地震(11月5日)が発生した後、7日には九州・大分と四国・愛媛の海峡でM7.0の豊予(ほうよ)海峡地震が発生しました。

九州では安政南海地震より大きく揺れ、大分だけでも家屋700軒以上が倒壊したとのこと。

この海域は南海トラフ震源域のすぐ外側にあり、付近には大断層・中央構造線が走っています。

おそらくは、南海トラフ巨大地震によってこの断層に圧力が加わったことが原因でしょう。

なお、この11カ月後の1855年10月には、安政江戸地震が発生。

江戸の町は大火災となり、1万人以上が亡くなりました。

震源地は東京湾なので南海トラフとは異なりますが、このMEGA地震も南海トラフが動いたせいで連動した可能性が大。

このように、南海トラフ周辺の地域においても連動型地震が発生する可能性があるのです。


究極の連動型:宝永地震

*引用:消防博物館

安政南海地震の後、大阪には石碑が建てられました。(上の写真)

この石碑には「以前に起きた宝永地震でも人々が船で避難をして犠牲となり、また今回も同じ過ちを繰り返し、教訓が活かされなかった」と刻まれています。

この石碑に記されている宝永地震(1707年:M8.6)は、史上最大級と指摘されている南海トラフ巨大地震。

東京大学大学院・東京大学地震研究所の調査によって、西側で先にMEGA地震が発生し、そのわずか18分後に東側で2回目が発生したことが分かりました。

極めて短い間隔で連動していることから同時型とも呼ばれているほどです。

まとめ

この記事では、短い間隔で連動した南海トラフ巨大地震をご紹介しました。

東西どちらかでMEGA地震が発生し、もう片方で2回目が発生するというのが南海トラフ巨大地震の特徴。

その間隔は翌日や2日後だけでなく、宝永地震のようにほぼ同時ということもあります。

次に起きる南海トラフ巨大地震も連動型である可能性が高く、その間隔が短ければ被害は壊滅的。

国の試算によると、経済的損失は東日本大震災の10倍(134兆円)だそうです。

南海トラフ巨大地震を防ぐ方法はありませんから、その国難を乗り切るために各自が十分に備えておくべきでしょう。

(なお、MEGA地震発生に備えた防災グッズ関連はコチラでご紹介しています。)

●作成者:原 経厳

・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。

●構成・編集Support:原 洋

・・・フリーライター



コメント

タイトルとURLをコピーしました