【MEGA地震の前兆と予測!】南海トラフ巨大地震⑦ 富士山の連動噴火

南海トラフ巨大地震

自然災害の多い日本において懸念されているのが、南海トラフ巨大地震と富士山の噴火です。

発生すればどちらも甚大な被害を及ぼすわけですが、過去の事例からこの二つが連動して起こる可能性が指摘されています。

そこで今回は、富士山噴火と南海トラフ巨大地震の連動についてご紹介していきます。

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南海トラフ巨大地震と富士山噴火が連動した事例

*引用:現代ビジネス

下の年表は、過去の富士山噴火と南海トラフ巨大地震を並べたものです。

<過去の南海トラフ巨大地震と富士山噴火>

地震・富士山噴火 発生エリア
684年 白鳳地震 南海トラフ
800年 延歴大噴火 富士山
864年 貞観大噴火
887年 仁和地震 南海トラフ
937年 承平の噴火 富士山
999年 長保の噴火
1033年 長元の噴火
1083年 永保の噴火
1096年 永長東海地震 南海トラフ
1099年 康和南海地震
1361年6月 正平東海地震と

2日後の正平南海地震

1435・36年? 永亭の噴火 富士山
1498年 明応地震 南海トラフ
1511年 永正の噴火 富士山
1605年 (*慶長地震) 詳細不明
1707年10月

1707年11月

宝永地震

宝永大噴火

南海トラフ

富士山

1854年11月 安政東海地震と

翌日の安政南海地震

(*富士山に火柱)

南海トラフ

(富士山8合目)

1944年 昭和東南海地震 南海トラフ
1946年 昭和南海地震

ご覧の通り、江戸時代初期までは南海トラフ巨大地震と富士山噴火の間隔は最短でも13年ほど離れており、連動と呼ぶには疑問でした。

しかし、江戸時代中期の宝永地震では、わずか49日後に富士山が噴火しています。

さらに江戸時代末期の安政東海地震では、南海トラフ巨大地震が発生した当日に富士山で火柱がたったと言われており、小規模の噴火といえるでしょう。

つまり、江戸時代中期からは南海トラフ巨大地震と富士山噴火が連動して発生しているのです。

連動噴火の事例1:宝永噴火

*引用:Wikipedia

1707年10月、南海トラフで東西がほぼ同時に揺れる宝永地震が起きました。

そのわずか49日後、最大級の富士山噴火と言われている宝永噴火が発生

上の写真で中腹に見える火口はその時に出来たものです。

小田原・藤沢付近では爆発の空震により戸が外れ、焼けた軽石が大量に降り注ぎました。

また、富士山近くの御殿場市・小山町では、灰と砂礫が3mも積もり、その後20年に渡って農作物が育たないほどでした。

ちなみに、江戸に関しては、次のような記録が残っています。

雪のふり下るごとくなるをよく見るに、白灰の下れる也。西南の方を望むに、黒き雲起こりて、雷の光しきりにす。

*引用:『折りたく柴の記』(新井白石)

「雪のふり下るごとく」というのは火山灰が大量に降ったということ。

実に5cmの降灰があったと言われています。

さらに、昼間なのに辺りは真っ暗になり雷が発生

これは、噴火放出物が摩擦によって上空で帯電したことによるものです。

連動噴火の事例2:安政東海地震

「1707年の宝永大噴火の後、富士山は約300年以上噴火していない」との報道をよく耳にしますが、実は江戸末期に起きた南海トラフ巨大地震の直後に小噴火した事があるのです。

1854年11月4日、南海トラフで安政東海地震(M8.4)が起き、翌5日には安政南海地震が連動して発生します。

この時富士山でも異変が目撃されていました。

11月4日、富士山8合目へ火多数見へ候由之事

*引用:駿府士太夫町頭・萩原四郎兵衛の見聞録

上の見聞録は、安政東海地震が起きた当日に富士山の8合目付近で多数の火が目撃されたことを示しており、専門家は富士山で小規模の噴火があったと指摘しています。

この事実はほとんど知られていませんが、宝永噴火と同じく、南海トラフ巨大地震と富士山噴火が連動した事例といえるでしょう。

南海トラフ巨大地震と富士山噴火の発生間隔

南海トラフ巨大地震は概ね100~150年間隔で発生しています。

前回の発生が1946年であることも踏まえ、今後30年以内に発生する確率は70%以上だと言われています。

一方の富士山は、5,600年前から180回以上噴火。

計算上は30年に1度のペースで噴火していることになります。

これだけ頻繁に噴火していたにも関わらず、最後に噴火したのは江戸時代。

当然、かなりのマグマとエネルギーが溜まっているはずですから、南海トラフ巨大地震をトリガーとして富士山が噴火する可能性は高いと筆者は考えています。

南海トラフと富士山が連動した場合の想定被害

*引用:富士山火山防災対策協議会

南海トラフでMEGA地震が起きれば、短期間のうちに富士山が連動して噴火する可能性があります。

上の画像は富士山が噴火した場合の降灰範囲とその量を示しており、東京でも10cmほど積もると予想されています。(宝永噴火レベルを想定)

そして火山灰が降れば、例え南海トラフ巨大地震による津波の被害が少なくても、深刻な状況になるのです。

  • 火山灰の微粒子で携帯電話故障や通信障害が起きる
  • 変電所や送電線に漏電や機能不全が起き停電
  • 車や航空機、船はエンジンに灰や軽石を巻き込み交通は全面停止
  • 火山灰はガラス質で眼球や気管支・肺に重大な障害が出る
  • 浄水場に降灰し水がいっさい使えなくなる
  • あらゆる農作物がダメになり食糧不足に
  • 火山灰は雨で重量が増し家屋倒壊が起きる
  • 土石流や泥流が各地で起きる・・・ほか

仮に南海トラフ巨大地震と連動したとすれば、上記以外に津波や火災、地面の液状化、家屋の倒壊なども起きるわけで、かなりの被害を覚悟しなければならないのです。

富士山噴火からの復興は数十年かかる

*引用:防災ニッポン

2021年、富士山噴火に関するハザードマップが17年ぶりに改訂されました。

このハザードマップでは、新幹線や高速道路の一部が溶岩流に飲み込まれるという想定になっています。

富士山噴火の規模次第ですが、溶岩流が新東名高速道路に到達するまでの時間は約2時間、東海道新幹線までは約5時間だと言われています。

また、溶岩流に覆われた土地はその後何十年も使えなくなるとの見解も示されています。

南海トラフ巨大地震が富士山噴火のトリガーとなった場合、神奈川県や静岡県には地震による津波の被害もでているはず。

そこに富士山噴火による溶岩流や火山灰が加わるわけで、残念ながら被害は甚大なものになりそうです。

まとめ

過去の事例をもとにすると、南海トラフでMEGA地震が起きれば富士山が連動して噴火する可能性があります。

そもそも、富士山は「いつ噴火してもおかしくない」と指摘されていますから、想定される被害を参考に、多角的な備えを行っておいてください。

(なお、MEGA地震発生に備えた防災グッズ関連はコチラでご紹介しています。)

●作成者:原 経厳

・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。

●構成・編集Support:原 洋

・・・フリーライター



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