【MEGA地震の前兆と予測!】南海トラフ巨大地震⑨ 異常な引き潮は前ぶれ

南海トラフ巨大地震

過去の南海トラフ地震では各地で様々な前兆現象・前ぶれが目撃されています。

それらの中でも前ぶれとして特に有力なのが引き潮

引き潮といえば津波の前に起こるものとイメージしがちですが、実は南海トラフ巨大地震の発生前にも起きています。

そこで今回は、南海トラフ巨大地震の前ぶれとなる引き潮についてご紹介します。

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異常な引き潮は南海トラフ巨大地震の前ぶれ

*画像はイメージ

通常、潮の満ち引きは月と太陽の引力によって、約6時間サイクルで変動します。

また、異常潮位といって、台風や低気圧の影響で長期間(数十日~数ヶ月)満ち引きのサイクルが狂う事もあります。

一方、南海トラフ巨大地震の発生前には、上記とは別に短期的に異常な引き潮が発生しているのです。

それは過去の事例から明らかであり、筆者は異常な引き潮は南海トラフ巨大地震の前ぶれだと考えています。

過去の異常な引き潮と南海トラフ巨大地震

南海トラフ巨大地震に関する過去の記録を読むと、発生前に異常な引き潮があったとされています。

以下はその一例です。

  • 宝永地震
  • 安政東海・南海地震
  • 昭和南海地震

過去の異常な引き潮1:宝永地震

1707年10月に起きた宝永地震は、史上最大級の南海トラフ地震だと言われています。

この地震の発生前、高知県では前ぶれとして異常な引き潮が目撃されているのです。

(地震の3日前)10月1日の頃、ある2人が船で下地川口(高知県)へ夜釣りに出かけた。 不思議なことに、にわかに潮が引いて船が動かなくなった。 闇夜であったが、すかして見ると四方が干潟となっている。 これは夢かとばかり驚いて帰ろうとしたが、どうすることもできない。 夜通し潮の指してくるのを待った・・・

*引用:日本地震史料

この記録によると「夜釣りをしていると四方が干潟になった」そうで、「潮が満ちるのを夜通し待った」とのこと。

釣り人が潮の満ち引きを読み違えるとは考え難く、異常な引き潮だったことは間違いありません。

過去の異常な引き潮2:安政東海・南海地震

1854年11月4日、東海沖でM8.4の安政東海地震が発生。

翌5日には四国沖でM8.4の安政南海地震が連動して発生しました。

この2つのMEGA地震が起きる1ヶ月ほど前、高知県土佐湾の海で異常な引き潮が起きていたという記録があります。

浦土港沿岸(高知市)の状況を土地の古老に詳しくきいてみると、 (地震の約3週前)10月中旬頃から、潮の満ち引きが度を失い、満ち潮の時に引き潮となり、 引いてしまわないうちに満ちてきて、 その高点に達しないうちに、また引き潮となり、 実に出入りがデタラメで、人々が不思議に思っていたその折 ・・・ 11月5日午後になって最も激烈な大地震があった。

*引用:日本地震史料

(高知土佐)井の尻浦で浪人をしている山中久平という老人がいた。 隠居の後は孫たちを連れていつも磯で遊んでいたが、(地震の4~5日前)11月の初めころから、毎日潮に狂いが出来たことと、 連日晴天であることなどを考えあわせて、 家内をはじめ地区じゅうの人々に、「近いうちに大地震があるだろう」と知らせた。

*引用:日本地震史料

2つ目の記録に「高知では連日晴天だった」と書かれていることから、低気圧の影響を受けた異常潮位ではなく、異常な引き潮だったことが分かります。

過去の異常な引き潮3:昭和南海地震

1946年12月21日午前4時過ぎ、M8.0の昭和南海地震が発生しました。

震源が和歌山潮岬沖だったものの、この時も高知沿岸で異常な引き潮が見られたのです。

(地震2時間前の深夜)当時17歳だった女性の父親はイワシ漁のために浜辺に行き、 「おかしいぞ、海が干上がって潮がないぜよ」と首をかしげた次の瞬間「こりゃ大変じゃ、地震が起こるぞ、津波が来るぞ」と声をあげた。 漁師一家は、過去の大地震で津波が来なかったと伝えられている高台の知人宅まで、食糧や衣類を運び出し、その後午前4時すぎ地震が発生した・・・

*引用:静岡新聞

毎日海を見ている漁師が「海が干上がって潮がないのはおかしい」と指摘。

その2時間後に昭和南海地震が発生しており、この引き潮は前ぶれだったと考えられます。

異常な引き潮の原因は地殻変動?

*引用:NPO法人南海トラフ地震直前予知連絡会HP

上の地図は昭和南海地震の前に起きた異常な引き潮の発生地を示したものです。(赤=異常な引き潮発生)

これはNPO法人南海トラフ地震直前予知連絡会・中村不二夫会長が膨大な数の聞き取り調査を行なって作成されました。

沿岸地域では潮が引いた地域と変化なしの地域が交互に並んでおり、海底でシワ状地殻変動が起きて異常な引き潮が発生したと中村会長は推測しています。

南海トラフ巨大地震の防災情報

*引用:NPO法人南海トラフ地震直前予知連絡会HP

ご紹介してきたように、過去の南海トラフ巨大地震では、発生前に異常な引き潮が目撃されています。

そのため、南海トラフ地震直前予知連絡会は、宇佐港などに観測システムを設置。

防災情報として潮位をリアルタイムで配信しています。

同サイトによると、基準海面より1m以上低くなれば避難すべきとのこと。

高知で異常な引き潮が起きれば、南海トラフのどこかでMEGA地震が起きる可能性があり、この観測情報は非常に重要になってくるのです。

まとめ

今回は過去の南海トラフ巨大地震の前兆現象・前ぶれとして起きた異常な引き潮についてご紹介しました。

高知の沿岸地域では南海トラフ巨大地震の前に異常な引き潮が繰り返し起きています。

他の沿岸部も含めて、異常な引き潮が発生した場合は避難を検討した方が良いでしょう。

(なお、MEGA地震発生に備えた防災グッズ関連はコチラでご紹介しています。)

●作成者:原 経厳

・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。

●構成・編集Support:原 洋

・・・フリーライター



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