2023年5月は日本の各地で震度5以上の地震が頻発しました。
5月5日の石川能登地方で最大震度6強が起きたのを皮切りに、わずか1ヶ月間に全国各地で震度5以上が6回も発生しています。(余震を含む)
ここまで頻発すると、「南海トラフ大地震のようなMEGA地震が起きるのでは?」と心配になりがち。
そこで今回は、「過去20年で類似する頻発があったのか」「頻発した場合はMEGA地震の前兆になるのか」という点をご紹介していきます。
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2023年5月は震度5以上が頻発
*出典:MRO北陸放送
2023年5月は震度5以上の頻発しました。
わずか1ヶ月間で余震を含めて6回。
しかも震源は離島含めて全国各地に散らばっています。
①5月5日 石川県能登地方でM6.5 最大震度6強 ②(さらに同日中に震度5強余震) ③5月11日 千葉県南部でM5.3 最大震度5強 ④5月13日 鹿児島トカラ列島近海M5.1 最大震度5弱 ⑤5月22日 伊豆諸島神津島でM5.3とM5.1 最大震度5弱 ⑥5月26日 千葉東方沖でM6.2 最大震度5弱
ここまで震度5以上の地震が頻発するのは大変珍しいこと。
それは年度別の震度5以上発生回数をみれば分かります。
<震度5以上・年別回数(余震含む)*地震本部・気象庁データ>
年 | 発生回数 | 年 | 発生回数 |
2022 | 12 | 2012 | 17 |
2021 | 10 | 2011 | 33 |
2020 | 7 | 2010 | 5 |
2019 | 8 | 2009 | 3 |
2018 | 10 | 2008 | 7 |
2017 | 8 | 2007 | 5 |
2016 | 12 | 2006 | 3 |
2015 | 14 | 2005 | 9 |
2014 | 9 | 2004 | 8 |
2013 | 13 | 2003 | 8 |
筆者が気象庁のデータをもとに過去20年間に震度5以上の地震が発生した回数を計算したところ201回でした。
つまり年平均は約10回。
2023年は5月だけで6回ですからまさに頻発といえます。
震度5以上の頻発はMEGA地震の前兆か?
2023年5月の地震頻発には、次のような特徴があります。
- 条件1:余震を除く震度5以上が5回ある
- 条件2:震源が広く全国各地に散らばっていること(3地域以上)
- 条件3:約1ヶ月の間に集中している
ここで気になるのは、
「同じ条件を満たす事例は過去にあったのか?」
「あったとして、その後にMEGA地震は発生しているのか?」
という2点です。
そこで、気象庁のデータをもとに過去20年間の地震発生履歴を調べたところ、2015年と2017年に上記条件を満たしていることがわかりました。
そして、2015年と2017年はどちらも約1年後に人的被害がでるMEGA地震が発生しているのです。
なお、2012年と2011年は震度5以上が頻発したものの、これらは東日本大震災の余震。
よって、今回の条件には当てはまりません。
2015年
*出典:地震本部HP
2015年は年間で震度5以上が14回。
そのうち5回が5月13日からの1ヶ月間に集中して発生しました。
そして約1年後の2016年4月、熊本で震度7のMEGA地震が二つ発生しているのです。
2017年
<*引用:地震本部HP>
2017年は6月20日からの1ヶ月間で震度5以上が5回発生。
この年の震度5以上は8回ですから、半分以上がこの1ヶ月に集中したことになります。
そして1年後。
2018年6月に大阪北部地震(死者6名)。
この時は倒れたブロック塀の下敷きになって人が亡くなったため、その耐久性が問題視されました。
さらに9月には北海道胆振東部地震(死者43人)が発生しています。
北海道全域が停電するというブラックアウトが初めて起きた事例であり、地震に対するライフラインの脆弱性が改めて浮き彫りとなりました。
まとめ
今回は、2023年5月に震度5以上が頻発したことと、過去に起きた同様の事例をご紹介しました。
一ヶ月以内に余震を除く震度5以上が各地で発生したのは過去に2例。
いずれも約一年後に死者が出るような地震が発生しています。
あくまでも過去の事例に過ぎませんが、状況が2023年5月と酷似しているため非常に不気味。
この予測が外れることを願う一方で、万が一のことを考えて十分な備えをお願いします。
(なお、MEGA地震発生に備えた防災グッズ関連はコチラでご紹介しています。)
●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋
・・・フリーライター
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