【MEGA地震を予測せよ!】前兆現象の研究と歴史Vol.5

前兆現象の研究と歴史

前回は電磁波が人工物に与える影響についてご紹介しました。

MEGA地震の発生前に時計やテレビのリモコンが狂ったという報告例は多々あり、電磁波が発生していることを考えると前兆現象といえるでしょう。

現在日本政府は「地震予知は不可能」という見解を示していますが、前回までの内容から予測可能なのは明らか。

(前回の記事はコチラ

実際、電磁波以外の方法で地震予測に取り組んでいる研究者もいます

そこで今回は、『動物たちの行動観察』と『大気イオン濃度観測』という2つの柱で長年研究を続けてきた矢田直之さんについてご紹介します。

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大気イオン地震予測研究研究会・e-PISCOの矢田直之理事長

<矢田直之理事長のプロフィール>

1961年生まれ。工学博士にして元神奈川工科大学工学部准教授。 熱工学を専門としつつもMEGA地震前に動物たちが示す前兆行動について研究。 元大阪市立大学理学部部長で『前兆証言1519』(東京出版)を出版した弘原海 清(わだつみ きよし)さんが立ち上げたNPO法人大気イオン地震予測研究会・e-PISCOの理事長に2011年5月に就任。 e-PISCO公式サイトhttp://www.e-pisco.com/

矢田理事長によると、MEGA地震発生前には大気のイオン濃度が急激に変化するのだそうです。

これは地中からプラスイオン(プラスの電気を持った原子)の放射性元素・ラドンが異常放出されるから。

事実、阪神淡路大震災の発生前には、神戸市東灘区のある会社で試験的に動いていたイオン測定器が異常値を記録しています。(大気中のラドン濃度が異常に上昇)

大気イオン濃度の異常が地震の前兆である科学的根拠

*画像引用:e-PISCO公式サイト

大気イオン濃度で地震予測を行うメカニズムは少々複雑。

一から記載すると非常に難しくなるので、詳しくはe-PISCO公式サイト内の図解ページでご確認ください。

大まかにいうと、ラドンは大気中のチリやホコリとくっつきます。

すると重量が重くなり、地表付近に溜まります。

その結果、地表付近を計測すると濃度が高くなるのです。

矢田理事長はこのラドンの特性を地震予測に応用

普段はほとんど観測されないラドンが、急に大気1cc中あたり1~2万個に増えるため、その違いがはっきり分かると言います。

こうして研究を重ねた結果、大気イオン濃度が上昇した後で急激に元に戻ると、そこから数日以内に地震が発生する確率が高い、ということを突き止めたのです。

大気イオン濃度の異常後に地震がきた事例

矢田理事長が発見した大気イオン濃度による地震予測法では、かなり離れた観測点からでも異変をとらえることができます。

実際、矢田理事長は以下の地震においてその前兆現象をとらえてきました。

  • 中越地震
  • 福岡西方地震
  • 岐阜飛騨地方の地震
  • 東日本大震災

中越地震

2004年10月に起きた中越地震(M6.8 最大震度7 死者68名)では、震源から約200キロ離れた神奈川・厚木で大気イオン濃度の上昇を観測。

地震発生11日前に急激に大気イオン濃度が上昇し、一旦平常にもどってから地震が発生しています。

福岡西方沖地震

2005年3月に発生したのが玄海島付近を震源とした福岡西方沖地震(M7.0)

マスコミ報道では「全く予期できなかった」とされていますが、矢田理事長による大気イオン観測でははっきりと前兆が出ていました。

震源から300キロ離れた岡山の観測点で、地震発生3日前に急激に濃度が上昇していたのです。

岐阜飛騨地方の地震

2011年2月に発生した岐阜飛騨地方の地震(M5.5)では、前年の年末あたりから大気イオン濃度の上昇が観測されていました。

石川県金沢市や長野県松本市の観測点で大気イオン濃度の上昇が始まり、それが2011年2月まで続いたのです。

そのため矢田理事長は「北陸から信越地方にかけてM5以上の地震に警戒すべき」という情報を会員向けに発信。

実際、2月末に予想エリアの岐阜飛騨地方で地震が発生しました。

東日本大震災

通常、地震発生後は大気イオン濃度が下がります。

しかし岐阜飛騨地方の地震では、発生から約2週間経っても下がらず、それどころか3月になると神奈川県厚木市や静岡県沼津市の観測点でも大気イオン濃度が上昇しはじめたそうです。

つまり、石川から長野、静岡、神奈川にかけて広い範囲で危険な兆候が出た事になり、矢田理事長は「あまりにも範囲が広い。一体どこが危ないのか?」と不気味に感じたのだとか。

その矢先に発生したのが、未曾有の被害をもたらしたMEGA地震・東日本大震災だったのです。

この当時、大気イオン濃度の観測点が東北にはなかったため、動物達の異常行動と大気イオン濃度の上昇を複合的に分析することができず、正確な地震予測ができませんでした。

「観測点がもっとたくさんあれば・・・」

矢田理事長は当時のことを思い出す度に残念な気持ちになるそうです。

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大気イオン濃度を使った地震予測術の課題

矢田理事長の地震予測術は、測定器で大気イオン濃度の異変をとらえつつ、その回数と平常値に戻る日などから地震発生日を予測するというもの。(上の画像はe-PISCOが開発した大気イオン濃度測定器)

研究は順調に進んでおり、2010年の段階で予測成功率は62%になった事が伝えられてます。(『地震の前兆150』別冊宝島編集部編・宝島社)

実際、矢田理事長は『有望な地震予測方法の研究者』としてマスコミの取材をたびたび受けているわけですが、「それでもまだまだ課題はある」と語っています。

  • 震源地が陸から遠く離れた海底だと予測しにくい
  • 雨天などで湿度が高くなると観測精度が落ちる
  • いちNPO法人では観測体制には限界がある

上記で特に深刻なのが観測体制の限界です。

そこでe-PISCOでは、この課題を少しでも改善すべく、地震危険予知に協力してくれる市民メンバーを募集中。

ご興味がある方はぜひe-PISCOの公式サイトで詳細を確認してください。

まとめ

この記事では、e-PISCOの矢田理事長が行ってきた大気イオン濃度による地震予測をご紹介しました。

まだまだ課題はあるものの、いくつかのMEGA地震を予測してきたことはれっきとした事実。

大気イオン濃度とMEGA地震と結びついていることは間違いないでしょう。

なお、矢田理事長は大気イオン濃度だけでなく、動物達の異常行動にも着目し、地震予測にいかしています。(動物達の異常行動に関する詳細は次回)

こちらも大変興味深い現象が起きており、大気イオン濃度の測定と併せて、今後の研究に期待したいところです。

(次回につづく・・・ 前兆現象の研究と歴史6へ

●作成者プロフィール

原 経厳・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。

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