【MEGA地震の前兆と予測!】関東大震災⑥ 植物と昆虫の予兆

蓮 関東大震災

未曽有の大災害となった100年前の関東大震災。

10万5000人以上の犠牲者を出したこのMEGA地震には地震光や動物の異常行動など、様々な予兆・前兆現象がありました。

そして、予兆・前兆現象は植物や昆虫にも。

大地や海・空から生き物全般に至るまで様々な予兆となる前兆現象を見せたのです。

今回はそんな植物や昆虫に見られた関東大震災の予兆についてご紹介します。

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関東大震災で植物が見せた予兆

藤・山吹・菖蒲

関東大震災の前には、狂い咲き、急成長、大豊作などの予兆が植物に起きていました

そのいずれか一つならさほど珍しい話ではありません。

しかし、三つ揃うことは稀。

同様の現象が他のMEGA地震の前にも起きていることから、筆者はこれらが予兆・前兆現象だと考えています。

植物の予兆1:芥川龍之介が目撃した花の狂い咲き

芥川龍之介

関東大震災の前におきた植物の狂い咲き。

これを記録に残したのは、かの有名な文豪・芥川龍之介でした。

 大正12年8月、僕は一遊亭と鎌倉へ行き平野屋別荘の客となった。 僕らの座敷の軒先はずっと藤棚になっている。 そのまた藤棚の葉の間にはチラホラ紫の花が見えた。8月の藤の花は年代記もの(珍しい事)である。

そればかりではない。 手洗いの窓から裏庭を見ると、八重の山吹も花をつけている。 その上、また珍しいことは小町園の庭の池に、菖蒲、蓮と咲き競っている。 藤、山吹、菖蒲、と数えてくると、どうもこれはただ事ではない。 自然に発狂の気味のあるのは疑いにくい事実である。

僕は爾来(それ以来) 人の顔さえ見れば 、『天変地異が起こりそうだ』と言った。 しかし誰も真に受けない。(作家仲間の) 久米正雄のごときはにやにやしながら大いに僕を嘲弄したものである・・・

(中略) 東京に帰ったのは8月25日。大地震はそれから8日目に起こった・・・ 「あの時は義理にも反対したかったけれど、君の予言は当たったね」 久米(正雄)も今は僕の予言に大いに敬意を表している・・・

*『大震雑記』芥川龍之介著


芥川龍之介によると、鎌倉で藤・山吹・菖蒲・蓮が狂い咲きしていたとのこと。

藤・山吹・菖蒲などは本来4~5月に咲くはず。

それが8月下旬に起こったことに対して、芥川龍之介は「ただ事ではない」と気付き、「天変地異が起こりそうだ」と人々に伝えていたのです。

関東大震災が発生したのは芥川龍之介が狂い咲きを目撃してから8日後のこと。

植物による予兆だったと考えるのが妥当です。

ちなみに、阪神淡路大震災ではアサガオが半年咲いていたという記録が残っており、これも予兆だったと考えられます。

植物の予兆2・稲の急成長

稲

関東大震災の前には、稲が急成長するという現象も起きています。

いつもは9月10日ころ稲が色づくのに、震災前にすっかり黄金色になっており、こんなことは50年来なかった・・・

*毎日新聞(昭和48年)

町田では毎年遅い田植えのため9月10日ころから稲が色づくが、8月から稲が色づき前代未聞のことだった。

*『地震の起こるとき』亀井義次著

これらの証言から、8月に稲が色づくのはかなりレアなことだと分かります。

植物の予兆3・野菜や果物の大豊作

梨

野菜や果物が大豊作となったのも、関東大震災の予兆の一つです。

本郷在住の坂本たけさんによると「梨が大豊作のため、道々たくさん売っていて非常に安かった、お金が無かったのでそれを安く買って食べながら歩いていた・・・

*『地震の起こるとき』亀井義次著

夏に野菜類が豊作となり、大根なども大豊作で平年1円~のベッタラ漬が地震後10銭で買えた。

*『天災の前兆とその予防』志村南欠著

好天や害虫の減少により野菜や果物が豊作となるのはよくあることです。

しかし、前述の狂い咲きや稲の急成長も同時期に発生していることを考えると、関東大震災と無関係ではないでしょう。

関東大震災で昆虫がみせた予兆

セミ

関東大震災の発生前には、植物だけでなく昆虫も予兆を見せていました。

<当時湯島小学校2年生の加藤仁一郎氏談> 学校の始業式が終わり、近所の霊雲寺の境内へ弟と遊びに行った。 いつもなら木の高い所にいるはずのセミがたくさん低い所や地面に降りてきて、手で簡単に捕まえることが出来た。子どもながら不思議に感じたが・・・突如ぐらぐらと揺れて、そばの石とうろうが倒れてきた・・・

*引用:『地震の起こるとき』(亀井義次著)

上記のセミ以外に、クモの巣の大量出現やアリの異常発生なども報告されています。

他のMEGA地震発生前にも似たような目撃証言があることから、昆虫の異変は予兆の一つだと考えられます。

植物や昆虫が予兆をみせた原因は電磁波

近年の研究により、地震の前には地下の圧電によって電磁波や地電流が放出されることが分かってきました。

そして、植物が電磁波によって成長を促進させられることは既知の事実。

また、昆虫は触覚によって電磁波を感知すると言われています。(参考文献:昆虫の電磁波による交信:農林省農業技術研究所 玉木 佳男)

これらの情報をつなぎ合わせて考えると、植物や昆虫による予兆の原因は地震発生前の電磁波と地電流

つまり、科学的根拠がある現象であり、MEGA地震の発生を予測する上で決して無視できないのです。

まとめ

ここ数年、地震に無関係で桜や梅の早い開花やミツバチの行方不明などの異変が起きていますが、これらは個別で起きた現象。

一方、関東大震災をはじめとするMEGA地震の場合は、複数の種類が一斉に異変を見せています。

この「一斉に」という点が予兆の目安。

とくに植物の異変は見つけやすいので、有力な前兆現象としてぜひ覚えておいてください。

(なお、MEGA地震発生に備えた防災グッズ関連はコチラでご紹介しています。)

●作成者:原 経厳

・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。

●構成・編集Support:原 洋

・・・フリーライター



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