MEGA地震では必ずと言っていいほど何らかの前兆現象が起きます。
それは東日本大震災にもいえること。
前兆現象についての知識があれば、津波による被害を軽減できたかもしれません。
そこで今回は、被災者の証言を交えつつ、東日本大震災で起きた前兆現象をご紹介していきます。
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東日本大震災では津波の被害が大きかった
*上の写真は気仙沼光洋高校の4階
2011年3月11日に発生した東日本大震災。
このMEGA地震では本震による揺れ以外に、その後の津波によっても大勢の死者・行方不明者が出てしまいました。
この時の津波の高さは最大で遡上高40.1 m。
宮城県気仙沼市岩井崎地区では学校の4階まで津波が押し寄せるほどでした。(上の写真参照)
地震の前兆を知っていれば津波被害を軽減できる
*畠山美恵子さん
東日本大震災の後、筆者は現地調査に向かい、当時宮城県気仙沼市・岩井崎地区に自宅があった畠山美恵子さんから地震前日の出来事に関する話を伺いました。
畠山さんが言うには、前日にキジの異常な鳴き声と轟音を聞いたとのこと。
実はこのキジの異常な鳴き声と轟音は他のMEGA地震でも報告されており、筆者は地震・津波の前兆現象だと考えています。
実際、畠山さんは幼いころから「キジが騒げば地震と津波に用心」と教えられていたそうで、「ちょっとした地震前兆の知識が結果的に助けになった」と語っています。
MEGA地震の発生を予測し準備すればそれだけ生き残れる確率が高くなりますから、たとえ科学的に未解明であったとしても、前兆現象について理解を深めておくべきなのです。
東日本大震災・津波の前兆現象1 キジの異常行動
東日本大震災が起きた三陸沿岸は、過去にも貞観大津波や明治三陸大津波といったMEGA地震・津波が発生した地域。
その度にキジの異常行動が目撃されており、それが地震の前兆現象を表す伝承として現在まで残っています。
なかでも有名なのがキジの異様な鳴き声。
前出の畠山さんは東日本大震災を振り返って次のように証言しています。
キジがね、キエーッキエーッと今まできいたこともないくらいの声で鳴いてましてね・・・叫ぶっていうか言葉にできんくらい異様でね、・・・そういうのを2回もきいたんです。
*証言:畠山美恵子さん(筆者取材)
東日本大震災の前日に畠山さんが聞いたのは、普段とはまったく違うキジの鳴き声。
これによって地震の発生を予測したそうです。
なお、キジは足の裏に振動を察知する感覚細胞があることが分かっており、前兆現象として激しく鳴く以外にも、地震発生の数秒前に異常行動を見せると言われています。
キジが騒げば地震と津波に用心
宮城県の気仙沼付近には、「海鳴りの後にキジが鳴くと地震が起きる」という伝承があります。
実際、東日本大震災の前日に、気仙沼に生息するキジが海鳴りの後に鳴いていたとのことです。
同様の事例は他にもあります。
2022年3月の深夜に発生した福島県沖地震(最大震度6強・死者3名)では事前にキジが異常行動を見せていました。(下の動画を参照)
日本の内陸地震で史上最大規模(M8.0)となった濃尾地震(1891年・死者7273人)では、『東海・近畿の広範囲でキジが騒いだ』という記録が残されています。
さらに、推定1万人が犠牲となった江戸時代の長野・善光寺地震では、次のような記録が残っています。
・・・夜も昼も幾日もつづけてキジがけたたましく鳴き騒ぐので、困り果てていた。 夜もおちおち眠れない、うるさいので追っ払うのだがその数が多い・・・ 前兆じゃないかと噂が流れ始めたと思うまに大地震が発生・・・
*引用:『次の大地震、衝撃の完全予知法』(加治木義博著)
このように、MEGA地震の前兆現象としてキジが異常行動を示した事例はたくさんあるのです。
キジは地震や津波を予測できる
阪神淡路大震災以降、地震の前に放出される電磁波の研究が進み、キジが騒ぐのも電磁波によるものだと分かってきました。
つまり、キジには地震を予測する力があるということ。
畠山さんのようにキジの異常行動を地震の前兆と考えて備えれば、たとえ大津波が来ても生き延びることが可能なのです。
なおキジの異常行動と地震予測についてはコチラで詳しく説明しています。
東日本大震災・津波の前兆現象2 轟音
海岸近くに住んでいた畠山さんは、東日本大震災前日の午前8時頃、海の方から轟音がするのを聞いたと証言しています。
海の方からね、ゴゴーッというものすごい爆発音というか轟音がして、8時頃と10時頃2回もね。 あんなの今まできいたことなかったです、近所の人も聴こえたって言ってました。
*証言:畠山美恵子さん(筆者取材)
キジの異常行動と同様、轟音も地震の前兆の一つ。
震源地の方から聞こえてくると思われ、それが海だった場合は地震共に津波の発生が予想されます。
よって、原因不明の轟音を聞いた時はMEGA地震に警戒すべきなのです。
轟音後にMEGA地震・津波が発生した事例
*台湾花蓮地震後の写真
過去のMEGA地震でも「地震の前に轟音を聞いた」という証言が多々あります。
<台湾花蓮地震>
地震の数時間前の昼ごろ、ロケ隊スタッフと昼食をとっている時、店の雑音に紛れて突如ゴォーッと気味の悪い音をきいた・・・地震直後外に出て街のビルが傾いていて驚いた、と同時にあの音の事を思い出した・・・
*筆者の知人(台湾コーディネイター)による証言
<大津波を起こした昭和東南海地震>
地震前日、名古屋、岐阜などで鈍い音が聴かれ、地震数時間前の朝、三重県引本町では雷のような音がした。
*引用:『愛知県防災会議及び中央気象台調査報告』
<阪神淡路大震災>
地震前日午後7時前後 バーンとかドーンとか今まで1度もきいたことがない大きな音をきいて、何が起ったのかTVをつけたがニュース速報等はなく不思議だった。
*引用:『前兆証言1519』(弘原海清編著)
音の聞こえ方こそ違えど、いずれも地震の数時間前から前日に聞こえており、前兆現象だったことは間違いありません。
まとめ
今回は東日本大震災おける前兆現象をご紹介しました。
キジの異常行動や轟音はMEGA地震の前によく起きる前兆現象です。
これらを見聞きした時は、被害を最小限に食い止めるために防災行動を取るべき。
とくに海沿いにお住まいの方は、津波の発生を予測し、できるだけ高い所に避難してください。
なお、MEGA地震発生に備えて防災グッズを買い揃えておきたいという方はコチラをご覧ください。
●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋
・・・フリーライター
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