東日本大震災では様々な前兆現象が報告されています。
これらの前兆現象を集計した結果、もっとも多かったのは動物の異変だったと言われています。
他のMEGA地震の記録をみても、動物の異変が前兆現象であることは明らか。
近年では、その原因も科学的に解明されてきました。
そこで今回は東日本大震災の前日におきた動物の異変についてご紹介します。
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東日本大震災では動物の異変が多数目撃されている
1995年の阪神淡路大震災では、市民から報告された前兆現象1711件のうち、781件(45.6%)が動物の異変でした。(NPO法人大気イオン地震予測研究会e-PISCO調べ)
東日本大震災でも発生からわずか2か月間で91件の前兆現象の目撃証言が集まり、そのうちの19件(20.9%)は動物関連。
阪神淡路大震災と比べると割合が下がっているものの、それでも目撃された前兆現象のなかでは動物関連がもっとも多かったのです。
こうした動物のなかには、一般的なペット(犬や猫)に加えて、野鳥やゾウも含まれます。
たいていは前日あるいはもっと前から異常行動をとっており、普段から動物を観察しておけば地震の発生を予測できる可能性が高いのです。
東日本大震災の前日に目撃された動物の異変
東日本大震災の前日から直前にかけて、たくさんの動物に異変があらわれました。
これは、東日本大震災が非常に大規模だったことと関係があると思われます。
ここではそれらの動物の異変の中から、特徴的なものをご紹介します。
猫に起きた異変
前述のNPO法人大気イオン地震予測研究会e-PISCO矢田直之理事長がまだ神奈川工科大学に在職していた頃、猫2匹に万歩計を付けて行動量を測定しつつ、地震の発生を予測するという研究を行っていました。
その猫の行動量が東日本大震災の前日に急に増えたのです。
東日本大震災の前日、おだやかだった猫2匹が、飼育ゲージで激しく動き回り、万歩計が普段の7倍以上の数値を示した・・・
*証言:矢田理事長(筆者取材)
猫は基本的に1日の大半を寝て過ごす動物。
そんな猫が普段の7倍も多く行動したわけですから、『とても寝ていられないような何か』を感じ取っていたことになります。
猫については同様の目撃談が様々な人から寄せられており、当時のSNSには、「外に出たがり鳴きやまなかった」「1日中落ち着かなかった」「姿を消した」などの投稿が多々見つかります。
なお、猫の異変は阪神淡路大震災や福岡西方沖地震でも目撃されています。
犬に起きた異変
東日本大震災の後、YOUTUBEには、柴犬が異常に悲しく鳴きながら、何度もくるくる回って立ち上がることを繰り返す動画がアップされていました。
また、他のSNS上には飼い犬の異変を伝える内容がいくつも投稿されているのです。
<例:地震前日、柴犬が庭土をずっと掘り続けていた(宮城)>
阪神淡路大震災の前日にも、「穴掘り」や「遠吠え」「悲しく鳴く」などが報告されており、猫の異変と同様で前兆現象だったと考えられます。
カラスに起きた異変
東日本大震災では、鳥の異変、とくにカラスに関する報告がたくさんありました。
震災前の深夜午前1:50頃 宮城県石巻市湊地区の公園でカラス50羽ほどが騒いでいた
*引用:読売新聞
カラスの大群、集団行方不明、夜に騒ぐといった異変は、過去のMEGA地震において何度も出てくる前兆現象。
どこにでもいる鳥なので、地震発生の予測には使いやすいといえます。
ゾウに起きた異変
地震の4~5時間前の午前中、茨城県日立市・かみね動物園でアジアゾウの「スズコ」と「ミネコ」が低いうなり声をあげた、ゾウは電磁波に敏感と言われ、スマトラ沖地震津波(M9.0 死者24万人以上)の前にも逃げた証言がある。
*引用:『地震の前兆150』(別冊宝島編集部編)
ゾウが電磁波に敏感なのは昔から言われていること。
また、近年の研究により地震の前には地中から電磁波が発せられることが分かっています。
この二点を踏まえると、前日ではありませんが、かみね動物園のゾウが東日本大震災の発生を予測していた可能性が十分に考えられます。
動物の異変は地震に伴う電磁波の影響
*引用:京都産業大学
東日本大震災における動物の異変は、地震の前に出る電磁波が原因だとされています。
例えば、京都産業大学では、地中の電磁波の変化を計測して地震を予測する研究が行われています。
また、日経新聞が『地震の前には地殻の圧電現象により大規模に電磁波が出て、上空の電離層にまで異常を起こす』と報じてます。(日経新聞2011年5月)
つまり地震の前に電磁波放出が起きており、それが動物に影響を与えたと考えられるのです。
電磁波による動物への影響は実験で立証されている
電磁波の影響によって動物に異変が生じることは、専門家の実験で立証されています。
・猫は電波を嫌がり顔をなぞり落ち着きをなくしやがてその場を避ける
・犬はわずか3V程度でかみつき吠えだした
・鳥はスズメ、アヒル、ニワトリなどは電磁パルスを受けるたびに鳴いたり、飛び上がったり強く反応した。
*引用:『大地震の前兆こんな現象が危ない』(池谷元伺著)
『大地震の前兆こんな現象が危ない』の著者である池谷元伺さん(大阪大学名誉教授)は、電磁波が動物に与える影響について検証を行ないました。
その結果、ブタ、インコ、ネズミ、ヘビ、カエル、ミミズ、メダカ、カメ、カイコ、アシカ、ワニなど、どの動物も電磁波にかなり敏感に反応したと報告しています。
また、麻布大学・太田光明名誉教授も犬猫をはじめ様々な電磁波検証を行なっており、ゾウやイルカも電磁波に敏感だったと述べています。
まとめ
東日本大震災の前日には、様々な動物の異変・異常行動が目撃されています。
その原因は地震に伴う電磁波だと思われ、動物を観察することは今後の地震予測に役立ちます。
もしも動物の異変を目撃した際は、「気のせい」や「大げさ」として片付けず、地震の前兆現象として防災意識を高めてください。
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●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋
・・・フリーライター
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