魚の大量発生や大量死、打ち上げなどの現象が起こると、MEGA地震の予兆として騒がれがち。
実際、魚には地震を予知する能力があると考えられており、大量発生や大量死、打ち上げなどは非常に不気味です。
では、本当のところはどうなのか?
この記事では、魚の大量発生や大量死、打ち上げについて、MEGA地震との関連性をご紹介します。
<スポンサーリンク>
MEGA地震前に魚が大量発生した事例
魚が見せるMEGA地震の予兆として代表的なものは大量発生です。
末広恭雄東大名誉教授が行った魚による地震予知の調査結果によると、予知した事例の3割以上が大量発生だったとのこと。
事実、過去のMEGA地震では魚が大量発生していたという記録が多数あります。
<ウナギ 1896年明治三陸大津波・M8.2>
三陸沿岸で地震の前にウナギが砂浜に多数現れ首を出し、鳥がそれを食べ、1人で200匹獲る人もいた。
*引用:『地震なまず』武者金吉著
<イワシ・ハゼ・メダカなど 1923年関東大震災・M7.9>
・地震前日、横浜港近くの運河でイワシが大量発生、虫取り網で面白いようにすくえた。 千葉・鴨川ではイワシが大量に獲れたが、地震後はさっぱりいなくなった。
・地震の1週間前から東神奈川や鎌倉で素手で獲れるほどハゼが大量発生、同じころ東京隅田川ではメダカやフナが多数浮かび口をパクパクさせ、素手で簡単にすくいとれた。
*引用:『地震の起こるとき』亀井義次著
<フナ 1939年秋田男鹿地震・M6.8>
・地震前日と発生前、震源に近い八郎潟鴨川部落三種川で、猛烈にフナが釣れ、前日16キロ、当日12キロも釣れたが地震後は釣れなかった。
*能代市商工所長談
<ボラ 1995年阪神淡路大震災・M7.3>
・地震2日前、明石川でボラが何百匹も遡上、地震前日には芦屋・西宮境界の堀切川で、ボラが皆頭を北に向けびっしりと川底に並んだ。
*引用:『前兆証言1519』弘原海清編著
<ボラ 2021年福島県沖地震・M7.3> ・地震の10日前、東京大田区呑川でボラが大量発生、口をパクパクさせ、鳥がそれを食べており、珍しいと多くの人が見物。 さらに5日前から3日も続けて茨城県霞ケ浦の川でボラが大量に出現、住民がこんな事は初めてだと珍しがった。(FNN報道他)
地震前に魚が大量発生するのは電磁波や地電流が原因⁉
ご紹介した通り、MEGA地震の前には魚の大量発生が度々起きています。
問題は、この大量発生の原因は何なのかということ。
近年の研究により、電磁波や地電流が原因であるという可能性が高まってきています。
まず、MEGA地震の前には電磁波や地電流が普段より強くなることが分かっています。
次に、多くの魚は電気的刺激に過剰に反応することも解明されました。
これらのことから次に二つの仮説が考えられます。
<魚が大量発生する原因の仮説>
- 地震前の電気的刺激を危険と判断し、習性により仲間と群れる
- 電磁波などの信号をエサの動きから出る信号と混同して大量に寄ってくる
どちらの説が正しいのか、あるいは別のことが原因なのか。
いずれにせよ、MEGA地震前には魚の大量発生が起きやすいのは事実であり、れっきとした前兆・予兆といえるのです。
魚が大量発生してもMEGA地震が起きるとは限らない
近年、MEGA地震とは関係なく魚の大量発生が起きるようになりました。
●2023年1月13日、名古屋城近くの川でボラが大量発生、さらに同じ愛知の南知多町で何万匹も大量発生し、素手で簡単に獲れるほどだった。 また同日、三重・伊勢でも同様の現象が起きて話題になった。
これだけ各地で魚の大量発生が確認されたにも関わらず、その後東海地区でM5以上の地震は起きていません。
また、5月下旬に新潟・村上でイワシの大量発生が起きましたが、やはり北陸や東北日本海で大きな地震は発生しませんでした。
こうしたMEGA地震と無関係な魚の大量発生は、気候変動が原因と考えられています。
近年、気候変動により世界中で水温上昇、海流変化、生態系破壊などが確認されています。
魚は水温や海流に敏感ですし、小魚のエサとなるプランクトンなどの生息域が変われば、海の生態系は一変。
その結果の一つとして、魚の大量発生が起きることもあるのです。
よって、魚の大量発生を目撃した時は、地震光や地震雲、その他の動物の異常行動などを確認。
それらがなければ、目の前の魚の大量発生は気候変動が原因と考えられます。
魚の大量死と打ち上げ
この2~3年、魚が大量死して打ち上げられる出来事が増えています。
<魚が大量死して打ち上げられた最近の事例>
- 2023年1月中旬からイワシが青森・北海道・新潟など立て続けに打ち上げられ、大量死をおこしていた。水温低下が原因とみられている。
- 2023年1月10日、浜松西区でボラなど数十万匹が大量死、有毒物質は検出されず大量遡上による酸欠と見られている。
- 2021年8月5日、東京多摩川で1.5㎞にも渡って、フナヤコイなど魚の大量死が発生、水質に問題はなく、猛暑による水中酸素の減少が原因とされている
異常な現象であることからMEGA地震の予兆だと指摘する人もいるようですが・・・
どのケースも水温異常や酸欠等が原因とされています。
つまり、これも気候変動が根本的な原因。
実際、過去のMEGA地震の記録をみても、魚の大量死や打ち上げがあったという記述はありません。
従って、魚の大量死や打ち上げは地震とは無関係だと思われます。
まとめ
この記事では、魚の大量発生、大量死、打ち上げとMEGA地震の関連性についてご紹介しました。
過去の記録を調べたところ、魚の大量発生に関してはMEGA地震の予兆となり得るようです。
ただし、MEGA地震とは無関係に魚が大量発生することもあります。
なので、魚の大量発生を目撃したら、本ブログで紹介している他の前兆・予兆も探してみるべき。
もし他の前兆現象も起きていれば、直ちに地震発生に備えてください。
逆に、他の前兆現象が見られない場合は、恐らく地震とは無関係。
大量死や打ち上げと同じく、気候変動が原因と考えて良いでしょう。
(なお、MEGA地震発生に備えた防災グッズ関連はコチラでご紹介しています。)
●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋・・・フリーライター
コメント