【MEGA地震の前兆と予測】魚による予兆④ ナマズの予知能力は神話に由来⁉

タケミカヅチの神話絵 魚による予兆

近年の研究によりナマズの地震予知能力が証明されつつあります。

ただし、「ナマズが暴れると地震が起きる」という伝承ははるか昔からあったもの。

調べていくと、その由来はどうやら神話の世界にあるようです。

そこで今回は、ナマズの地震予知能力の由来となった神話をご紹介します。

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ナマズの地震予知能力の由来となった神話

タケミカヅチの神話絵

ナマズの地震予知能力の由来となったのは、茨城県の鹿島神宮・香取神宮に伝わる神話だと言われています。

鹿島神宮の武甕槌(タケミカヅチ)の神、香取神宮の経津主(フツヌシ)の神が、天照大神の命により、地域の平定を目指した。 しかし当時この地域は地震が多発しており、人々は地中の大ナマズが暴れているとして恐れていた。 そこで大神たちは要石(かなめいし)と呼ばれる石棒を地中にさし込む。 鹿島の要石はナマズの頭、香取の要石は尾を抑えこみ、暴れナマズを鎮め、地震の頻発をとめたという。

この神話では、地中の大ナマズが地震の原因とされており、要石を用いて地震の頻発をおさえたとあります。

無論、地震を引き起こす大ナマズなどいるはずがありません。

とはいえ、「地震」「ナマズ」「暴れる」といったキーワードが一つの神話に盛り込まれており、これがナマズの地震予知能力の由来になったと考えられるのです。

要石は実在する

大ナマズの神話はフィクションだと考えられますが、それをおさえたとされる要石は実在します。(下の画像参照)

鹿島神社と香取神社の要石

この画像の左側に写っているのは鹿島神宮の要石、右側は香取神宮の要石です。

地元ではこの要石を防災の象徴として崇めています。

この要石、見えているのはその先端部分だけで、実際には超巨大な岩石なのだとか。

かつて徳川光圀公の指示で発掘調査が行われましたが、大きすぎてすべてを掘り出すことができず、その全容は未だに不明なのです。

以上のことから、筆者は次のように推測します。

  1. 地震の前にナマズが暴れることは、大昔の人々も知っていた
  2. 大昔の人々は本当にナマズが原因で地震が起きると信じていた
  3. 地震を鎮めるための祈祷として要石を崇めた時代があった
  4. これらを防災の知識と残すために、神話の形で後世に残した

なお、江戸時代に発生した安政江戸地震の直後には、暴れるナマズを人間が抑えようとする鯰絵が大流行しました。

鯰絵

なかには、鹿島大明神たちがナマズが暴れないように要石で抑えているものもあり、大ナマズ神話がしっかり受け継がれていたことが伺えます。

ナマズに地震予知能力があると考えるのは日本独特の文化。

その由来は、やはりこの大ナマズ神話にあるのでしょう。

ナマズの地震予知の由来となった神話は阿蘇にもある

ナマズの地震予知能力の由来となったのは、鹿島・香取神宮の神話だけではないと筆者は考えています。

阿蘇の開祖神・健磐龍命(たけいわたつ)は大昔、湖だった阿蘇の田畑開拓を行なおうとする際に大ナマズが水をせき止め邪魔をしたため、「お前がそこにいては仕事にならぬ」と言って退散させ水を排除した。

これは、阿蘇地方最古とされる国造神社(こくぞうじんじゃ)に伝わる神話。

ナマズが人々の生活を脅かす存在として登場しており、そこから転じて「ナマズは地震の神」という考えが根付きました。

また、熊本県大津町・年祢神社には石に彫られたナマズの絵馬が奉納されています。

石造額絵馬

*指定文化財・石造額絵馬(熊本・大津町HP

この絵馬が奉納されたのは、1705年に発生した阿蘇地震の後。

住民達がもうこれ以上町が破壊されないよう願いをこめ、地震の神であるナマズを彫刻して奉納したとされています。

まとめ

この記事では、ナマズの地震予知能力の由来となった神話をご紹介しました。

鹿島・香取神宮や阿蘇地方の神話・伝承には、地震に関係する存在としてナマズが登場します。

大きな魚は他にもいるのに、なぜナマズだけが地震に関係する存在として神話に登場するのか?

その理由は、神話を作った人々が、ナマズが暴れると地震が起きるということを知っていたからでしょう。

つまり、そこに語られているのは、神話であり防災の知識でもあるということ。

現代科学でも予知できない地震だからこそ、私たちはこうした神話に関心を持つべきではないでしょうか。

(なお、MEGA地震発生に備えた防災グッズ関連はコチラでご紹介しています。)

●作成者:原 経厳

・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。

●構成・編集Support:原 洋

・・・フリーライター



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