【MEGA地震の前兆と予測!】動物の異常行動⑤ カラスなど鳥の異変・古い記録編

動物の異常行動

前回は、MEGA地震の前兆現象としてカラスやスズメ、ハト、カモメ、ハクセキレイ、トビなどの異常行動をご紹介しました。

とくに阪神淡路大震災では数多くの目撃証言が得られましたが、記録を紐解くと、MEGA地震前の鳥の異常行動は昔から目撃されていたことが分かります。

しかも先人たちはそれを地震前兆としてとらえ、防災に役立てていたようなのです。

そこで今回は、古い記録を参考にMEGA地震前の鳥の異常行動をご紹介していきます。

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MEGA地震前の鳥の異変が記された古い記録がある

MEGA地震前の鳥の異変を記した古文書

MEGA地震の前に鳥たちが見せる異常行動としてこれまで取り上げてきたものは次のようなものです。

  • 大集団を作る!
  • 一斉に消える!
  • 夜に鳴き騒ぐ!
  • 大群で飛び交う!
  • 大移動する!
  • 通常と違って鳴き騒ぐ!etc・・・

筆者はこれらがMEGA地震の前兆現象と考えていますが、古い記録をみると先人たちも鳥の異変から地震の発生を感じ取っていたことが分かります。

例えば1847年5月に現在の長野市から飯山市にかけて被害をもたらした善光寺地震(1万人前後の犠牲者が出た)では、次のような記録が残っています。

<善光寺地震 トビ・カラス・キジ> (地震発生の)前夜から星の光がことのほか大きく見え、俗にぬか星と言われる小さい星も鮮明に見えた。 その上トビが舞い、カラスが騒ぎ立て、キジが声をそろえて鳴いた。 こんなことは全て地震の前兆と、親しい人にも話し、果たしてその翌晩大地震になった。

引用:日本地震史料

トビ・カラス・キジが異常行動をとり、それらをみた人が地震の前兆現象と捉えていたことがはっきり記されています。

江戸時代にこうした知識があったということは、それ以前にも同じようなことが多々あり、それらが伝承として語り継がれていた証拠。

ゆえに、現代に生きる我々もその知識を後世に語り継いでいかなければならないのです。

MEGA地震前の鳥の異常行動:日本書紀

MEGA地震について記した日本書紀

MEGA地震前に鳥が異常行動をとった事例は、日本書紀(古事記と並んで日本最古の書とされる古文書)に記録されています。

678年12月(グレゴリオ暦679年1月~2月)、現在の福岡県中部を襲った筑紫地震の前兆現象として次のような記録があるのです。

「臘子鳥蔽天。自西南飛東北。」 アトリ(臘子鳥)が天を覆って、西から東北へ移動した・・・

「アトリが空を覆いつくした」とあるように、鳥の大群が空に現れる現象は東日本大震災や阪神淡路大震災などのMEGA地震発生前に目撃された現象と同じです。

また、アトリは渡り鳥なので、大群で移動することもあります。

しかし、空を覆いつくすほどの大群は珍しいことであり、そこに異変を感じ取ったからこそわざわざ記録として残したと考えられます。

実際に筑紫地震が発生しているわけですから、前兆現象の一つだったのでしょう。
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MEGA地震前の鳥の異常行動:江戸時代の記録

地震について記した江戸時代の書物 地震で崩壊した建物を描いた江戸時代の絵

善光寺地震以外にも、江戸時代末期には多くのMEGA地震が発生しました。

ゆえに記録もたくさん残されていますが、そのなかには鳥の異常行動に関する目撃談も多々あります。

安政江戸地震の記録

安政江戸地震で発生した火災を描いた絵

江戸末期の1855年、江戸の街を直撃した安政江戸地震(M7.0 死者1万人)では、次のような鳥の異常行動が目撃されています。

<安政江戸地震 ニワトリ・トビ・カラス> 地震の10日ほど前から利根川付近の村では、ニワトリがねぐらに入らず、家の梁(はり)に上がったまま降りてこず、飼い主が困った。 (地震2日前)9月の末日にはトビやカラスが空中を騒ぎながら飛び回った。 それが前ぶれとも知らず、10月2日の地震にあったのは何とも残念な話だ・・・ ・・・また、牛込河田ガ窪薬種店の裏にエノキの古樹があった。 枝葉がよく茂っていたが、7.8月頃から数万のスズメが毎日群がっていた。 それが地震の前からはいつとなく一羽も来なくなった・・・

引用:『地震の起こる時』(亀井義次 著)内の古記録紹介

上記の記録には、スズメやカラス、トビの異常行動が語られています。

いずれも稀な現象ですが、さらに注目すべきは、「それを前ぶれとも知らず・・・」という部分。

この一文から、鳥の異常行動が地震の前兆だと知っていた人もいたことが伺えます。

飛越地震の記録

飛越地震を描いた絵

安政5年1858年2月には、飛騨と越中で飛越地震(M7.0 死者400人以上)が発生しました。

現在の富山県南部と岐阜県北部の奥飛騨を中心に起きた地震で、多数の山崩れが発生し、

救援に行くにも困難を極めた事が伝えられています。

そんな飛越地震では、スズメの異常行動が記録されています。

<飛越地震 スズメ> 越中立山の湯元に河原六右衛門という大きな百姓家があった。 地震前日昼間、屋根の上にスズメが幾百ときて、大変鳴き騒いだ。 いつもは鳥も来ないところなので、家族は皆不思議に思っていた。 引用:『地震の起こる時』(亀井義次 著)内の古記録紹介

いつもは鳥自体が全くいないところにスズメが大集団となって現れる・・・

この現象もまた阪神淡路大震災の発生前に目撃された現象とそっくりです。

MEGA地震前の鳥の異常行動:大正時代の記録

アトリ

前述で、はるか昔のアトリの異常行動を紹介しましたが、実は大正11年12月8日、長崎島原半島でM6.9とM6.5が連発した島原地震(死者26人)の前にも同じ様な事が起きています。

川口孫次郎 著の『天変地異を予知する鳥類』によると、これらの地震が発生する前には、隣県の福岡中部でアトリの大群が目撃されていたとのこと。

これは前述した日本書紀の福岡中部での記録と同じであり、時代を問わずMEGA地震前には鳥が異常行動をとることが分かります。

よって、鳥を観察することはMEGA地震の予測に役立つと思われます。

まとめ

古い記録にみられる地震の鳥の異常行動についてご紹介しました。

これらの古い記録をみると、先人たちが「鳥の異常行動は地震の前兆である」と理解していたことは明らか。

と同時に、未来の世代に「鳥の異常行動をみた時は地震に備えよ」と警鐘を鳴らしているようにも思えるのです。

なお、MEGA地震発生に備えて防災グッズを買い揃えておきたいという方はコチラをご覧ください。

(次回は、死に至る鳥の異常行動をご紹介します)

●作成者:原 経厳

・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。

●構成・編集Support:原 洋

・・・フリーライター
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