前回は阪神淡路大震災や福島沖で発生した地震において、カラスやスズメが直前に異様な大集団を形成していたことを取り上げました。
MEGA地震の発生前にははっきりとした異変・前兆現象が起きますが、こうしたカラスやスズメの大集団はその一つだと考えられます。
では、他の種類の鳥はどうなのか?
実のところ、地震の前に異常行動を示すのはカラスやスズメだけではないのです。
そこで今回は、カラスやスズメ以外の鳥が地震前にみせた異常行動についてご紹介していきます。
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種類を問わず、鳥たちの大集団は地震の前兆現象
カラスやスズメ以外でも、地震の前に大集団を形成した鳥の目撃談はいくつもあります。
なおかつ、その大集団が普段鳥がいない場所で目撃されていることから、筆者は地震の前兆現象であると考えています。
実際、稀にみるMEGA地震だった阪神淡路大震災では、様々な鳥による異常行動が目撃されているのです。
阪神淡路大震災では様々な鳥の異常行動が目撃された
阪神淡路大震災の発生前には、神戸や大阪で様々な鳥たちの異常行動が目撃されています。
弘原海清さん編著による『前兆証言1519』を読むと、そのことがよく分かります。
<ハト 兵庫県加古川市 女性の証言>
(地震前日)1月16日午後3時頃、加古川市志方西中の田んぼに数百羽のハトが飛来し 夢中で草を食べてました。 今までこんなにたくさんのハトを見たことがありません。
引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
<ユリカモメ 大阪府堺市 女性の証言>
(地震前日)1月16日午前11時50分頃、菖蒲公園を通りましたところ、ユリカモメ(白色にネズミ色の鳥)が、水面、土手に何千羽とも思われるほど真っ白になっていました。 何かおかしいな、地震でも来なければと思って歩いていました。
引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
<ヒヨドリ 兵庫県明石市 主婦の証言>
(地震前日)1月16日、家の前のケヤキの木にたくさんのヒヨドリが集まってきました。 娘とヒヨドリってあんなにたくさん移動するのかなと話していましたが、地震の後はヒヨドリは飛んでこなくなりました。
引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
<ヒヨドリ 兵庫県宝塚市 女性の証言>
地震前日の16日の夕方、一番騒がしいヒヨが近くの電線にびっしりと並んでとまっており、数はわかりませんが、100羽からそれ以上はいました。 しかも神戸の方向すなわち震源地の方向に向かって並んでいたのです。 加えてあのうるさい鳴き声がまったくしていませんでした。 いつもとあまりに違うので近所の方と、「なんだか気味が悪いね」と言っていたところでした・・・
引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
ご覧の通り、ハト、ユリカモメ、ヒヨドリらが大集団を形成。
どの目撃者も一様に驚いていることから、その状況がいかに珍しいことかが分かります。
また、東日本大震災の前には、「見たことない鳥の群れが増えた」という証言もあります。(下の画像参照)
*出典:Yahoo!
そんな珍しい状況が地震の発生前に集中しているのですから、前兆現象と考えて間違いないでしょう。
なお、ここでとりあげた例はどれも地震の前日となってますが、実際には数日前から鳥たちの異常行動が目撃されていました。
違う種類同士による大集団も目撃されていた
同一種類の鳥が大集団を形成するならまだしも、阪神淡路大震災発生前には、『複数種類の鳥が一つの集団を形成する』という事例も目撃されていました。
<複数種の混合 神戸市北区・女性の証言>
震災の前の日、犬の散歩の時に見た風景です。 いつも通るコースですが、見慣れた柿の木にスズメやメジロ、ヒヨドリなどが数知れず群れをなして止まり、騒がしく鳴いておりました。 そんなことは初めての事でしたので、異常に感じ印象に残ってます。 そうしたらその翌日あの激震でした。
引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
<複数種の混合 兵庫県神戸市・男性の証言>
(地震前日)1月16日の午後だったと思います。 普段はスズメしかいない庭の木に、ウグイスかと思われる2羽を含め、計十数羽の見慣れない小鳥の群れが止まっていました。 地震の後、垂水区の親戚にこの話をしたところ、同じような鳥の群れを見たとのことでした。 さらに・・・余震が起きた日にも、その直前に同じ小鳥たちを見かけました。
引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
スズメやメジロ、ヒヨドリなどは決して珍しい鳥ではありませんが、これらが一緒になって大集団を形成するのは極めて稀。
まして、ウグイスは基本的に単独行動をとる鳥であり、群れで行動することはありません。
阪神淡路大震災前に目撃された光景はこうした鳥の習性にあてはまっていないわけですから、何か特別な理由があったとしか考えられないのです。
集団でいなくなる場合も要注意
普段いない場所に鳥が大集団を形成するのはMEGA地震の前兆と考えられます。
その一方で筆者は、『普段いるはずの場所から鳥たちが姿を消すのもMEGA地震の前兆現象』だと考えています。
<消えた鳥たち 兵庫県西宮市・主婦の証言>
武庫川沿いの遊歩道を毎日ジョギングしてますが、その時見かけていた川一面の渡り鳥たち(カモ・カイツブリ・ユリカモメ・白サギ等)が1月15日(地震2日前)からぱったりといなくなりました・・・ 2日後に大地震があり、あまりの急な鳥たちの動きは前兆現象ではなかったかと思います。
引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
<消えたハト 大阪府吹田市 主婦の証言>
(地震前日)1月16日、たしか午後4時頃だったと思います。 私の家の近所の山田市場公園(摂津市)に行ったとき、いつもいるハトがまったくいないのに気づきました。 子どもを連れてほぼ毎日行っておりますが、ハトの姿を見なかったことは1度もありません・・・
引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
普段は集団で同じ場所に居ながら、一斉に消えてしまう。
同時期に別の場所で大集団になって現れる。
こうしたことから、鳥たちは地震発生前の何かしらの異変(たとえば電磁波の発生など)を感じとっており、より安全だと思われる場所に避難したか一時的に混乱したかが原因だと考えられます。
まとめ
今回はカラスやスズメ以外の鳥が地震前にみせる異常行動についてご紹介しました。
阪神淡路大震災ではハトやヒヨドリ、メジロ、ユリカモメなどの異常行動(大集団の形成)が目撃されており、いずれも稀な光景であることから前兆現象と考えて間違いないでしょう。
なお、次回は地震発生前に鳥たちがみせる大集団形成以外の異常行動をご紹介します。
●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋
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