MEGA地震の前兆現象としてよく登場するのが鳥の異常行動です。
激しく騒ぐ、大群で移動、一斉に消える、といった定番の現象から突然死のような異例の現象まで様々。
そして室内のペット鳥もまた危険を知らせてくれます。
そこで今回は、MEGA地震発生前にみられるインコの異変をみていきます。
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インコはMEGA地震の前に激しく騒ぐ!
インコは大変デリケートな鳥で、家庭内で出るフロンガスやアロマ香料で容態が急変したり、雷や花火音、急な騒音に驚いてパニック死したりします。
これらはさほど珍しくはないのですが、激しく騒ぐとなると話は別。
インコが激しく騒ぐのは稀なことで、長年インコを飼っている人ですから見かけることはまずないでしょう。
ところが、MEGA地震発生前にはインコの異変が度々目撃されているのです。
このことから、インコが激しく騒ぐのはMEGA地震の前兆であると筆者は考えています。
中国はMEGA地震の予測にインコを活用している
*引用:気象庁
上の画像は2011年から2020年の間発生した地震の分布状況を表したもの。
日本と同じく、中国も地震の多い国であることが分かります。
その中国ではMEGA地震の発生を予測する取り組みが盛んに行われていますが、その一つにインコの異常行動を観察するという方法もあるのです。
動物の多量の異常行動が強震の前に発生する。そしてこれは強震の出現の予言への重要な評価基準である。人々がこの現示に関する知識を知っているなら、彼らは強震のありえそうな時間を知ることができる。強震の死傷者を減少させるのにこれは非常に重要である。強震の前のセキセイインコの異常行動と定量的測定を導入した。これからどう地震の時間を予測するかを導入した。
*引用: Beijing Gongye Daxue Xuebao ( LI Junzhi)
上記は2008年に中国で発表された論文の日本語訳。
- MEGA地震の前には動物の異常行動が発生すること
- 動物がMEGA地震の発生を予測できること
- セキセイインコの観察をMEGA地震発生の予測に活用すること
これらが明記されており、インコの異常行動が地震の前兆現象であることを示しています。
トルコ・イズミット大地震 騒いで飼い主を救ったインコ
1999年の8月17日未明、トルコ・イズミット市付近を震源とするM7.4のMEGA地震が発生しました。(犠牲者1万7000人以上)
このMEGA地震の直後、地震電磁気学者で大阪大学名誉教授の故・池谷元伺さんは前兆現象の調査のために現地を訪問。
そこで次のような談話を聞いています。
イズミット被災地キャンプにいた老婦人はペットで黄色のインコを飼っていた。 このインコは地震前日、高い声で鳴いて騒ぎ、止まり木に止まろうとせず、金属のカゴに1日中止まっていた。 地震がせまった1時間前、激しく鳴いて暴れたので、この老婦人は目を覚ました。 そのおかげで建物の下敷きにならずに済んだという・・・
*引用:『大地震の前兆 こんな現象が危ない』(池谷元伺著)
イズミット市の人口の約20%が家を失ったこの地震では、就寝中だった多くの人ががれきに埋もれてしまいました。
そんななか、インコが激しく鳴いて騒いだので老婦人は難を逃れたのです。
偶然にしてはあまりにも出来過ぎており、インコが何らかの異常を感じ取っていたと考えるのが妥当でしょう。
インコが激しく騒ぐ原因は地震に伴う電磁波
トルコで調査を行なった池谷教授は、インコについて次のように述べています。
・・・インコについては電場実験を行なってみた。止まり木を濡れた布で巻き、その両端に電圧をかける。 インコは羽を膨らませるばかりか体を小刻みに震わせて鳴いた。 さらにTBSテレビの「動物奇想天外」の収録中、ハムスターの行動を調べる実験をしていたのに、数メートル離れたインコが電磁波を発生するパンデグラフの放電のたびに「ピー」と鳴いた。 さらに毛を立てて体を膨らませ毛づくろいを始めた。 インコを飼っているならトルコ地震で老婦人を救ったように地震予知に役立つかもしれない・・・
*引用:『大地震の前兆 こんな現象が危ない』(池谷元伺著)
上記から分かることは、インコは微弱な電磁波にも反応するということ。
MEGA地震発生前には強力な電磁波が地中から放出されるので、それを感じ取ったインコが激しく騒ぐのも無理はありません。
もちろん反応の度合いには個体差があるはずですが、インコがそれまでにないほど激しく騒いでいたら、それは地震の前兆だと考えるべきでしょう。
(電磁波が動物に与える影響についてはコチラをご覧ください)
阪神淡路大震災でみられたインコの異変
トルコ・イズミット大地震ではインコが激しく騒いで老夫婦に危機を知らせていましたが、同様の事例は阪神淡路大震災でも報告されています。
<コザクラインコ 兵庫県西宮市・主婦の証言> とても利口な桜インコを飼っています。 (地震前日)1月16日の夜、いつもと違う羽つくろいを長時間にわたりしていました。 それでもなおイライラがひどく、どうしてもおさまりきらないのか、激しく感情をむき出しにして、部屋中を飛び回っていました。 「こんなことは初めてね」と呼びかけても甲斐はなく、そうこうしているうちに明け方の地震でした。 そしてまた次の震度4余震の時も、その前におかしくなり以前と同等の行動をしました。 「今日もまた強いのがあるかもしれないね」と主人と話していましたら、案のじょう地震が来ました。
*引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
<セキセイインコ 大阪府生駒市・男性の証言> 地震前日の16日のお昼過ぎから、私が飼っている黄色と青のセキセイインコのカゴの中で事件が起きた。 毎朝2羽仲良く並んで餌を与えあったり毛づくろいをしあったりで、ケンカしたのをみたことがなかった。 それが突然バタバタと暴れるような音が聞こえてきた。 2羽がめまぐるしくカゴの中で飛び交っていた。 どうやら黄色いのが青いインコを追い詰めていたようで、かつて見たことがないような激しい動きだった。 頭をつつかれた青はかごの一番下の受け皿のところまで落とされ、しばらく動けないでいた。 そして青が再び止まり木にあがってくると、またもや同じ争いが起こり、青が下に落とされるという繰り返しで、明日もこんな状態ならカゴから出してやらないと大変なことになると思ったほどだった。 その夜の明け方に大地震が起こったのである。 地震後インコは元通りの仲の良いペアに戻っている。
*引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
「激しく感情をむき出しにして部屋中を飛び回った」
「普段仲の良いインコ同士が激しく争った」
いずれも飼い主さんが驚くほどの珍しい騒ぎ方であり、それが地震の前日であったことを考えると、阪神淡路大震災との関連性を疑わずにはいられません。
阪神淡路大震災の発生前には電化製品の故障・誤作動が相次いだと言われており、電磁波が発生していたことは明らか。
その電磁波がとても強かったために、インコが前述のような異常行動をとったのでしょう。
阪神淡路大震災 インコ以外のペット鳥にも異変がみられた
阪神淡路大震災の発生前に異変をみせたのはインコだけではありません。
実は文鳥やジュウシマツにも同様の異変が起きているのです。
<阪神淡路大震災 文鳥とインコ 兵庫県宝塚市・主婦の証言> 自宅で文鳥とインコが1月15日と16日の2日間(地震前々日と前日)、 いつもなら朝と昼間くらいしか鳴かないのに昼夜の別なく、まるでジャングルに住むコンゴーインコのように、ギャーと声高に鳴いておりました。 今になって考えてみると地震の前兆ではなかったかと思われます。 現在では(震災以降)以前のように可愛らしい声でさえずっております。
*引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
<阪神淡路大震災・ジュウシマツ 兵庫県西宮市・男性の証言> ・・・年末より屋外にあった鳥カゴを室内に入れ、屋外にあった時よりも大切に飼っていました。 狭い鳥カゴですが、ホバーリングするなど非常に元気よく飛び回っていたのですが、(地震前日)1月16日の夜、突然狂ったようにカゴの網に当たるなど異常な飛び方をして、妻は「この子急にどうなったの」というほどでした。
*引用:『前兆証言1519』(弘原海清 編著)
インコと同様に文鳥やジュウシマツも地震前に何らかの刺激(おそらく電磁波)を受けたからこそ騒いだと思われ、筆者はこれらの鳥もMEGA地震の予測に役立つと考えています。
まとめ
今回はインコの異常行動についてご紹介しました。
見たこともないほどの激しい騒ぎ方はMEGA地震の前兆現象である可能性が大。
個体差があると思われるので確実性に欠けますが、複数のインコを飼っていればMEGA地震の発生を予測できるかもしれないのです。
なお、ペットの鳥という意味では、インコ以外にもMEGA地震の予測に役立つ鳥がいますので、次回でご紹介していきます。
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●作成者:原 経厳
・・・元番組制作ディレクタープロデューサー、長年にわたり地震前兆関連の調査・取材等を続けつつ、現在はフリーで映像コンテンツ制作プロデュース、短編映画製作プロデュース等に携わる。
●構成・編集Support:原 洋
・・・フリーライター
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