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古代遺跡に関する定説の中には、検証が不十分であったり、明らかに実態と矛盾するものが数多くあり、それらの真実は謎のままです。
今回はエジプトのギザにある古代遺跡・三大ピラミッドにスポットをあて、ファラオの王墓であるという定説に関する謎を前編と後編に分けてご紹介していきます。
定説ではピラミッドはファラオの墓とされている

定説によると、エジプトのピラミッドはファラオの王墓だとされています。
学校の授業でもそのように教えられるため、多くの人が「ピラミッド=墓」だと考えているようです。
たしかに、ギザにあるクフ王のピラミッドの内部には石棺(らしきもの)がある部屋(通称:王の間)があり、それだけをみれば墓のように見えるかもしれません。(上図参照)
しかし、古代の文献を調べても、ピラミッドが王墓だとはどこにも書かれていません。
同様に、遺跡のいたる所に掘られた象形文字を読み解いても、王墓だとは書かれていないのです。
ということは、昔の研究者が「王墓だろう(あるいは、王墓だと思う)」と考えたことが何となく広まり、いかにも真実であるかのうように大勢が誤解している可能性もあるわけです。
ピラミッド王墓説の謎
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根拠が怪しいピラミッド王墓説ですが、よく調べてみるとこの定説にはたくさんの謎があります。
ここからは、そんな定説の謎・欠点をご紹介していきます。
ピラミッドからミイラが見つかったことはない
エジプトには大小様々なピラミッドが存在していますが、それらのなかからファラオのミイラが見つかったことは一度もありません。
「古代に盗掘されているからだろう」という説もありますが、実はファラオを含む王家の墓場は別のところにちゃんと存在しています。
王家の谷と呼ばれるその岩窟墓群からは、古代エジプト新王国時代のファラオたちを含む64人分の墓が発見されているのです。(かの有名なツタンカーメン王のミイラもここに埋葬されていました)
ピラミッドが本当に王墓だというのなら、なぜ他の場所に墓があるのか…
定説を支持する学者はこの謎に関して明確な答えを出せていません。
王の間に装飾がない

上の画像は、前述の王家の谷の内部です。
ご覧のように、室内には煌びやか装飾が施されています。
いかにもファラオの墓らしい美しさがあるのですが、クフ王のピラミッドにある王の間には、何の装飾もありません。
ただポツンと石棺らしきものが置かれているだけなのです。
巨大なピラミッドを建設するほどの権力を持っていたクフ王の墓室に何の装飾もない…
そんなことがあるでしょうか?
しかも、王家の谷にある石棺と比べると、ピラミッドの王の間にある石棺はかなり小さいのです。
これらの謎に関しても、定説を支持する学者からは明確な答えが出ておらず、分からないままとなっています。
ピラミッドに関する新説
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ピラミッド王墓説の根拠が揺らぐなか、エジプト研究の世界的権威でもある吉村作治氏が、「ピラミッドは王墓ではない」と主張し始めました。
同氏は、「クフ王の墓は別のところにあり、ピラミッドは儀式を行うために使われた」と指摘しています。
前述の定説にまつわる謎を考えると、少なくとも同氏の新説の方が可能性は高いように思われます。
しかし、残念ながらクフ王の墓の発掘は開始されておらず、同氏による新説は立証されたわけではありません。
また、用途不明の古代遺跡を「儀式に使った場所だ」と説明するのは、学者の常套手段でもあります。
実際、まったく別の説を唱える学者も少なからずおり、ピラミッドの用途に関する謎はまったく解明されていないというのが現状です。
まとめ
ご紹介したように、ピラミッド=王墓とする定説にはいくつかの欠陥があります。
そのため、「墓ではなく儀式を行った場所だ」とする新説が台頭してきたのですが、それも立証されてはおらず、謎は深まるばかりです。
そこで、後編では、「何のためにピラミッドを作ったのか」「ピラミッドはどのように使われたのか」という謎に迫っていきます。
ご期待ください。
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