古代遺跡に関する定説の中には、検証が不十分であったり、明らかに実態と矛盾するものが数多くあり、それらの真実は謎のままです。
今回はエジプトのギザにある古代遺跡・三大ピラミッドの建築方法をテーマに、その謎と定説の矛盾について迫っていきます。
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三大ピラミッドの建築方法に関する定説
ギザの三大ピラミッドとは、クフ王、カフラー王、メンカフラー王の3人が建てたとされているものをいい、エジプトのピラミッドとしてもっともよく知られているものです。
なかでもクフ王のピラミッドは最大であり、あまりにも大きいことから現在でも正確な建築方法は分かっていません。
特に、石の運搬方法に関しては議論の的となっています。
なお、ピラミッドに使用されている石の重さは一つ2.5トンといわれていますが、これは平均値です。
実際には最大で数十トンの石もありますから、運搬方法も数十トンに対応できる方法について考えるべきでしょう。
建築方法に関する定説:石の運搬方法
ピラミッドに使用されている石は小さいもので数トン、大きいものになると数十トンに及びます。
これらの石は石切り場から切り出された後、ナイル川で待っている船に載せられて運ばれてきた、とされています。
これに関して、石切り場とされている場所には切り出した後がはっきりと残っており、そこで採掘されていたことは間違いないでしょう。
また、当時のエジプト人達は巨大な船を作る技術を持っており、石切り場とピラミッドの付近をナイル川が通っていることから、運搬に船を使っていたという説にも説得力があります。
実際、石の運搬係だった思われるエジプト人が書いた日記も発見されています。
それによると、ナイル川からピラミッドの傍までは、水路が掘られていたようです。
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石の運搬方法の謎
石切り場 ⇒ 船 ⇒ ピラミッド付近という経路で石が運搬されたという定説は、状況から考えて可能のように感じられます。
また、船以外の場所では、コロやソリを使って石を運搬したと考えられます。
しかし、本当にそんな運搬方法が可能だったのでしょうか?
謎その1:コロでの運搬は可能だったのか
定説では、ピラミッドに使用した石はコロを使って動かしたとされています。(近年の研究により、コロではなくソリだったする説もあります)
たしかに、ひとたびコロやソリに載せてしまえば、後は人海戦術で何とかなるかもしれません。(コロや引っ張るためのロープの強度に問題がありますが…)
しかし、コロに載せるまでの作業は謎だらけです。
筆者は推定1トンの石を動かしたことがありますが、その時は屈強な男性5人がテコとロープを使って、なんとか数十センチ引きずった程度でした。
古代のエジプト人はその数十倍もあろうかという石をコロに載せて運んだことになるわけで、一つ一つの作業を考えると現実的ではないように感じられます。
謎その2:どうやって船に積み込んだのか
平地であればコロを使って石を動かすこともできたかもしれません。
しかし、船に載せるとなると、その難易度は一気に上がります。
船のどこに載せるにしろ、数十トンもの重量があるわけですから、コロから船に移した瞬間に船は傾き、下手をすれば転覆してしまうでしょう。
なので、積み込みには滑車(クレーンのようなもの)を使ったと考えられるわけですが、数十トンの石を持ち上げることができるほどの頑丈な滑車となると、それはそれで「どうやって作ったのか?」という謎が残ります。
まとめ
今回はエジプト・ギザのピラミッドの建築方法、特に石の運搬方法における定説と謎をご紹介しました。
石を切り出す、コロやソリを使う、船でピラミッドの傍まで運ぶ、といった大枠では定説でも可能かもしれません。
しかし、一連の作業の細部を考えると、船に積み込む方法やコロ(ソリ)に載せるまでの方法に謎が残ります。
正統派の学者は「作業者の数を増やせば可能」としていますが、1トンの石をわずかに引きずるだけでも数人を要することを考えると、にわかには信じがたいところです。
なお、次回は「定説を疑え!古代遺跡の謎エジプト編 ギザ三大ピラミッドの建築方法2」と題して、石の積み方に関する謎をご紹介します。
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